Senior High
化学

化学3 フェノール類

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Ayaka(*ˊ˘ˋ*)。♪:*°

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Senior HighKelas 3

こんにちはー(∩´∀`∩)
何か要望があればコメントください!!
化学の他の単元のノートも公開してるので、ぜひ見てください😊

♩¨̮内容
1ページ目 フェノール類
2ページ目 代表例
3ページ目 フェノール類の性質
4ページ目 フェノールの性質とその反応
6ページ目 アルコールとの類似点
7ページ目 アルコールとの相違点
8ページ目 フェノールの製法
10ページ目 クレゾール・芳香族アルデヒド・芳香族ケトン

ノートテキスト

ページ1:

フェノール類
☆フェノール類:ベンゼン環にヒドロキシ基(OH基)が直接結合した化合物.
☆アルコール:ベンゼン環以外にヒドロキシ基(OH基)が直接結合した化合物.
<フェノール類の構造>
・ベンゼン環上の炭素原子はsp2軌道を構成する.
→兀結合を構成するのは軌道 .
・兀電子雲はベンゼン環の上側と下側に出てくる.
酸素原子に非共有電子対が存在し, 非共有電子対は2p軌道に入る.
酸素原子の2p軌道とベンゼン環の兀電子雲が側面で重なりを持つ.
→酸素原子の非共有電子対が兀電子雲に流れ込み、非局在化し,安定化する.
→酸素原子は自らの電子不足の状態を解消するために, OH 結合の共有電子対を
強く引き寄せる.
→OH基のHTが放出されやすくなる.
⇒弱酸性を示すフェノール性ヒドロキシ基
sp
ベンゼン
He
sp²
sp3
OH
H-
H
π結合 (2P軌道)
6C炭素
Is #
#
6 結合(SP2軌道)
H
2P ++
2sp²+++
2P+
最外殻電子4
H
H
Hπ結合
フェノール
非共有電子対
6 結合
H
H
80酸素
Is t
2p #FF
⇒ 23 ##千千
最外殻電子6

ページ2:

代表例
☆フェノール
OH
<フェノールの性質>
•
.
特有のにおいを持つ無色の結晶.
・水分を含むと、融点降下によって液体となる.
・空気中に長く放置したり光を当てたりすると、徐々に酸化され赤みを帯びる.
原因:複雑な組成を持つ着色物質が生じる.
電子供与性のOHが結合したため、ベンゼン環全体の電子密度が高く
なり,酸化されやすい .
・染料・合成樹脂・医薬・合成繊維などの原料として用いられる.
・タンパク質を凝固・変性させる力が非常に強く、細菌にもよく浸透する.
→強い殺菌・消毒作用を持つ。
・皮膚や粘膜をひどく侵すので、取り扱いには注意が必要.
☆0-クレゾール
OH
-CH3
CH
☆サリチル酸
OH
COOH
☆1-ナフトール
OH
☆2-ナフトール
OH

ページ3:

フェノール類の性質
<フェノール類>
・フェノール類は分子間で水素結合を形成する.
→分子量が同程度の芳香族炭化水素と比べ、沸点・融点がとても高く,大部分
は常温で結晶。
・フェノール類の多くは、水にはあまり溶けないが, アルコールやエーテルなど
の有機溶媒には溶けやすい.
・水に溶けたものは, アルコールと異なり,一部が電離し, H を放出する .
→ごく弱い酸性を示す。
・フェノール類がアルコールと比べると酸性が強いのは,Hを電離した後に
生じる陰イオンの安定性の違いによる.
(フェノキシドイオンの負荷は、ベンゼン環に方に流れ込み、非局在化して
いるため, アルコキシドイオンよりも安定化している.)
→フェノール類の電離が起こりやすい.
逆反応で考えると、フェノキシドイオンの負電荷が分散しているため、酸素
原子の電子密度が低く, H+を受け取る力がアルコキシドイオンの場合よりも
小さくなっていることがフェノール類が弱い酸性示す原因と考えられる.
・フェノール類に水酸化ナトリウム水溶液を加えると、中和反応が起こり、塩を
作って溶解する.
☆フェノキシド:フェノールの塩.
cf: フェニル基
フェニル基が酸化されたという意味.
R-
(電子吸引基である。)

ページ4:

フェノール
<性質>
・特有のにおいを持ち、無色の結晶で,空気中の水を取り込む潮解性がある.
・水には少し溶け、有機溶媒にはよく溶ける.
・強い殺菌作用や腐食性があり、皮膚を激しく侵し、有毒である.
<反応 >
・ベンゼンと同様に置換反応を起こしやすい。
・ベンゼンよりも反応性が高い。
理由:ベンゼン環に電子供与性を持つOH基が結合したことによってベンゼン環の電子
密度が大きくなったことに由来する.
ex1: 臭素水の場合
OH
OH
Br
Br
+3Bra
+3HBr
Br
フェノール 臭素水
(赤褐色)
※トリブロモフェノール
2.4.6-トリブロモフェノール
(白色沈殿)
: フェノールの検出に用いられる.
ex2: 希硝酸の場合
OH
+HNO3
→
フェノール
ex3: 濃硝酸の場合
OH
・NO2
OH
&&
または
NO2
+ H2O
ローニトロフェノール
P-ニトロフェノール
※配向性によって
生成物が決定される。
OH
OH
OH
NO2
D2N-
NO2
+ 2HNO3
または
+2H2O
NO2
2,4-ジニトロフェノール
2,6-ジニトロフェノール
フェノール
ex4: 混酸 (濃硝酸 + 濃硫酸) の場合
OH
フェノール
+3HNO3 H2SO42
OH
O2N.
NO2
+3H2O
NO2
ピクリン酸(トリニトロフェノール)
(黄色の結晶)

ページ5:

※ピクリン酸
・加熱や衝撃により爆発する性質があり,爆薬に用いられていた.
・トリニトロトルエンよりも爆発力は大きいが,金属を腐食させる性質があるため,
その取扱いが難しい.
→現在,爆薬としてはほとんど用いられていない.
・水溶液は苦みがあり、かなり強い酸性を示す.
理由:ベンゼン環に強い電子吸引性の置換基であるニトロ基が3つ結合したことで,
ベンゼン環の兀電子の密度がかなり小さくなる.
→OHの極性が大きくなり, OHがさらに電離しやすくなるため.

ページ6:

アルコールとの類似点
(ヒドロキシ基としての共通性質)
①ナトリウムと反応し、水素を発生する.
ex:
OH
2
+2Na→2
ONa
6.
+H2
フェノール ナトリウム ナトリウムフェノキシド 水素
2R-OH+2Na→2R-ONa+H2
アルコール ナトリウム ナトリウムアルコキシド 水素
②カルボキシ基と反応し,エステル を生成する.
ただし, 反応性が低く、酢酸とは反応しにくいので、無水酢酸と反応させる.
11
(CH3-C
+
エステル結合
CH3-C
O-C-CH3 + H3C-C-OH)
"
"1
フェノール
無水酢酸
酢酸フェニル
酢酸
(エステル)
カルボキシ基
エステル結合
R-OH+FOO-C-R→R-C-O-R+H2O
"
10
アルコール カルボン酸
エステル
cf) 無水酢酸(CH3CO)20
0
CH3-C-1
OH 分子間縮合(脱水)
CH3-C.
CH3-C-OH
加水分解
CH3-C'
"
0 +H2O
0
酢酸
無水酢酸

ページ7:

アルコールとの相違点
①フェノールは,わずかに電離して、弱い酸性を示す.
(カルボン酸や炭酸と比べて弱く、青色のリトマス紙を赤く変化させる力は無い。)
アルコールは中性を示す.
OH 電離
+ H+
フェノール
フェノキシドイオン
<酸の強さ >
硫酸・塩酸 カルボン酸 炭酸フェノール類
ex:
-ONa
-OH
+ CO2+H2O
→
+NaHCO3
ナトリウムフェノキシド 二酸化炭素
フェノール 炭酸水素ナトリウム
(炭酸)
→弱いもの追い出し反応
※ナトリウムフェノキシド
・水溶液中では完全電離し、フェノキシドイオンが生じる。
ベンゼン環を持つが、イオンの部分に強い水和が起こるため、水によく溶ける.
②フェノールは,水に対して溶けない.
これに対し, アルコールはより水に溶ける.
フェノールは、酸性物質のため、塩基と反応し、塩を生成して溶ける.
ex:
-OH
+ NaOH
中和
-ONa
+H2O
フェノール
水酸化ナトリウム ナトリウムフェノキシド
③塩化鉄(ⅢIL) 水溶液を加えると,青~赤紫色を呈する鋭敏な反応を起こす.
この反応は,フェノール類の検出に利用される.
アルコールでは呈色しない。

ページ8:

フェノールの製法
<反応性>
ベンゼン環は厚い兀電子雲よって包まれた構造をしているため、陰イオンである OHT
はなかなかベンゼン環に近づくことが出来ない.
→ベンゼンに対する陰性試薬の反応は非常に起こりずらい.
・ベンゼン環に強い電子吸引基(SO3H,Clなど)を結合させ, ベンゼン環に電気的に陽性
の部分を作る.
→電気的に陽性の部分にOHを高温・高濃度の条件で激しく攻撃させると、置換反応
が起こり,フェノールを合成させることが出来る.
<製法 >
①クメン法
・日本では,フェノールは100%この方法によって生成される.
・プロペンの二重結合に対するベンゼンの付加応として考えると分かりやすい.
マルコフニコフ則が成立し、フェニル基が水素原子の少ない方の炭素原子に結合
したものが主生成物 (7メン)となる.
CH3
CH3
CH3
空気酸化
1
1
AICI
+ C-H
>>
✓
02
C-H
"
1
O
C-O-OH
'
CH2
CH3
CH3
ベンゼン プロペン
クメン(イソプロピルベンゼン)
クメンヒドロペルオキシド
OH
希硫酸
H2SO4
H3C-C-CH3
+
1
0
フェノール
アセトン
プロペンの二重結合に対するベンゼンの付加反応として考えると・・・
水素原子水素原子
が2コがエコ
2
+ 2
HO=O-CH3
H
ベンゼン
プロペン
水素原子
ベンゼンが
が付加する。H付加する。
+H2→2H3CC-CH3
クメン(イソプロピルベンゼン)
※マルコクニコク則=二重結合を構成する2つの炭素原子のうち、水素原子の多い炭素原子に
水素が結合し、水素原子の少ない炭素原子にベンゼンが付加反応に
よって結合するという法則。

ページ9:

② ベンゼンスルホン酸のアルカリ融解
・水酸化ナトリウムのような固体の塩基と混合して融解させる操作をアルカリ融と
いう。
・スルホ基は強い電子吸引性を持つため, ベンゼン環の電子密度が小さくなるため,
OHが近づきやすくなっている.
→特にスルホ基が結合した炭素原子の電子密度は小さくなるので,その部分に OHT
が結合し、亜硫酸イオン SO32 が脱離する.
→過剰のNaOH によってただちに中和されてナトリウムフェノキシドとして生成
される.
→CO2 と反応させ、弱いもの追い出し反応としてフェノールを遊離させる.
SOzNa 約300℃
水酸化ナトリウム
NaOH
ONa
スルホ基=電子吸引性
[SO3H]
+H2SO4
スルホン化
NaOH
アルカリ融解
ベンゼン 濃硫酸
ベンゼンスルホン酸 ベンゼンスルホン酸ナトリウム
ナトリウムフェノキシド
OH
二酸化炭素
CO2
フェノール
③クロロベンゼンの加水分解
.
・常圧では、水酸化ナトリウム水溶液の温度を100℃以上に上げることは困難である.
・オートグレープといった耐圧容器にクロロベンゼンと約10%の水酸化ナトリウム
水溶液を入れ, 2×107 Paまで加圧すると,300℃くらいまで温度を上げることが
出来る.
→OHはクロロベンゼンの最も電子密度の低い部分である塩素原子の結合した炭素
原子に結合し,を脱離させる.
→過剰のNaOHによって中和され,ナトリウムフェノキシド が生成される.
Cl
ONa
OH
塩素化
+Cl2
水酸化ナトリウム
NaOH
二酸化炭素
CO2
高温・高圧
ベンゼン 塩業
クロロベンゼン
ナトリウムフェノキシド
フェノール

ページ10:

その他のフェノール類など
CH3
☆クレゾール
OH
CH3
CH3
888
-OH
OH
・性質はフェノールに類似し,より腐食性が小さい。 ロークレゾール-クレゾール P-クレゾール
・セッケン液との混合物はクレゾールセッケン液と呼ばれ、消毒液に用いられる。
☆芳香族アルデヒド
ex: ベンズアルデヒド
・芳香をもつ液体で、トルエンを酸化すると得られる.
・酸化されやすく、安息香酸へ変化する。
・還元すると、ベンジルアルコールに変化する.
カルボ
COOH
O
CH3 酸化→
アルデヒド基酸化
-CHO
安息香酸
ヒドロキシ基
CH₂OH
トルエン
ベンズアルデヒド 還元
ベンジルアルコール
☆芳香族ケトン
ex: アセトフェノン
・他のケトンと同様、これ以上酸化されることは無い。
参考 第1級アルコール
H
ヒドロキシ基
R-C-O-H
H
酸化、
アルデヒド基
カルボキシ基
→
R-C=0
酸化
→R-C-OH
'
H
0
アルコール
アルデヒド
カルボン酸
第2級アルコール
H
R-C-O-H
'
酸化
ケーン基(カルボニル基)
COCH3
アセトフェノン
ケトン基
→R-C=0
第3級アルコール
R"
R-C-O-H酸化 ×
'
R
R
R
アルコール
ケトン
アルコール

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