✨ 最佳解答 ✨
エネルギーと仕事の関係がごっちゃになっていると思われます。AからBへ電荷が移動する場合、静電気力がした仕事分だけ位置エネルギーが減るため、保存則に従って運動エネルギーはその分増加します。
分かりづらければ、物体の自由落下運動に置き換えて考えてみて下さい。
この場合、静電気力に相当するのが重力になります。
本質的な質問でかなり鋭いと思います。ここから長々と書くこと失礼します。
1つめの質問について、
これは「静電気力だけで電荷が移動した場合」の話です。これを次のようなステップで考えると分かるかもしれません。
・電荷が電場内を静電気力だけで移動すると、電荷は運動エネルギーを得る
・このとき、電荷が持っていた位置エネルギー(電位エネルギー)は減少
・この減少分が運動エネルギーに変換されている
という意味で、「静電気力がした仕事=電位エネルギーの減少」となる。
結論、仕事=エネルギーの増減という時の「エネルギー」とは、「静電気力が原因で変化するエネルギー」すなわち、「位置エネルギー」と考えられる。
2つめの質問
ポイントは「どのエネルギー変化を見ているか」、「仕事をする主は何か」を意識すると分かるかもしれません。
おそらくつまずいているであろうところ
静電気力だけで電荷がAからBに動いたとき、電荷は運動エネルギーを得るが、全エネルギーは変わっていない。なのに、なぜ「静電気力がした仕事=エネルギー変化」といえるのか?
→仕事=エネルギー変化と言っているのは、「位置エネルギーの変化」だけを見ている。
保存力がする仕事は位置エネルギーの減少に等しいから、教科書の公式になる。
つまり、保存力がした仕事=位置エネルギーの変化であって、物体全体のエネルギー変化ではない。
3つめの質問
「外力を加える場合」と限定している理由は、物理の議論で外力がある場合とない場合を区別する必要があるからです。おそらく、大学受験まではこういった区別する必要がないように問題を出しているはずです。
・静電気力だけで移動する場合、電荷が自然に動く(加速あり)ので、静電気力が正の仕事をすることになります。
・外力でゆっくり動かす場合、電荷が静かに一定速度で移動(加速なし)となるので、外力が-qVの仕事をする(静電気力の仕事とつり合い)。
結論、「外力を加える場合には-Wabの仕事が必要だ」というのは、「静電気力と釣り合っている場合に限定して話しています」という一種の断りがあるということです。
最後に補足
外力で電荷をゆっくり移動させた場合(加速しないようにする)、
・電荷は運動エネルギーを得ない
・静電気力のする仕事と外力のする仕事が打ち消しあう
よって、W外力=-W静電気力=-qVとなり、どの力が仕事をしているかを考えると「仕事=エネルギー変化」に矛盾が生じなくなります。
ありがとうございます🥹考え方が分かってきました…!回答してくださった内容を私なりに解釈してみたので、良ければ確認していただけますか?🙏🏻
①非保存力と保存力では「仕事」の定義が若干異なる。
「非保存力がする仕事」の定義→物体から奪ったエネルギーの総量。物体から奪ったエネルギーは、熱や光などのエネルギーに変換されて、外界(?)に放たれた。
「保存力がする仕事」→位置エネルギーから運動エネルギーへ変換した量。(疑問:運動エネルギー以外のエネルギーに変換することってあるんですか…?)運動エネルギーも物体が持つエネルギーではあるが、「仕事=位置エネルギーの変化」と定義しているので、実際保存力は物体に仕事をしている。
※私は「保存力がする仕事」も「物体から奪ったエネルギー」と誤解していた為混乱していたのだと思います。
②外力を加える時と加えない時の違い
(電荷qを電位v→0へ移動させる時を考える。)
・外力を加えない時
移動前 位置エネルギーqv 運動エネルギー0
移動後 位置エネルギー0 運動エネルギーqv
位置エネルギーがqv→0になった為、静電気力はqvの仕事をしている。
・外力を加えた時
移動前 位置エネルギー qv 運動エネルギー0
移動後 位置エネルギー 0 運動エネルギー0
位置エネルギーがqv→0になった為、静電気力はqvの仕事をしている。この時、静電気力は位置エネルギーqvを運動エネルギーに変換する。物体の力のつりあいを保ったまま移動させるには、このエネルギーを相殺する-qvの仕事を加える必要がある。よって、外力は-qvの仕事をしている。
①
保存力がする仕事 → 位置エネルギーから運動エネルギーへ変換した量
非保存力がする仕事 → 物体から奪ったエネルギー(熱など)
→ 私は「保存力も物体からエネルギーを奪う」と誤解していたかも
完全に正しい理解です。最後にまとめると、
・保存力のする仕事は、物体の位置エネルギーの変化に等しく、それが運動エネルギー変化につながる
・非保存力のする仕事は、エネルギーを運動や位置エネルギー以外の形に変換してしまう(熱や音など)。
これが物体からエネルギーを奪ったと見える理由かもしれないですね。
疑問:存力がする仕事は、運動エネルギー以外に変換されることってある?
→基本的には保存力だけが作用する状況なら運動エネルギーになる。
しかし、実際の物理系では、
・保存力による位置エネルギー→ばねの位置エネルギーなど、別の位置エネルギーに変換されることがある。
・保存力によって運動が生じた後、非保存力(例えば摩擦)によってその運動エネルギーが熱などに変換されることがある。
ということで、保存力が直接エネルギーを熱や光にするのではなく、まず運動エネルギーになり、そこから別の力が他のものに変換するという流れが多いですね。(最後に補足しますが、力学とは別の話かつ、高校内容以上のものなので無視してもらって構いません)
②
外力の有無とエネルギーの収支について
→完璧です。書いてもらった通りです。
つまり、仕事という概念は、どの力がしているかを明確にすると、エネルギー変化と正しく対応するということになります。
ここまで理解できていれば、大学の基礎物理もクリアしたと言っても過言ではないです。素晴らしい理解だと思います。
最後に補足
「保存力が直接エネルギーを熱や光にするのではなく、まず運動エネルギーになり、そこから別の力が他のものに変換するという流れが多いですね。」と書いたのは、例外的な経路があるからです。力学とは関係なので、無視してもらって構いません。
・電磁誘導の場合(電磁気)
コイルに磁石を近づけると、磁場の保存力的エネルギーが直接電流のエネルギーに返還されることがある。このとき、運動エネルギーが一瞬も増えずにエネルギーが他のものに変わることが可能になります。
・化学ポテンシャルエネルギー
保存力(原子間の結合力)に由来するエネルギーが、化学反応で直接光や熱に変わる。例えば、ルミノール反応やホタルの光といった発光反応では、ほとんど運動エネルギーを経由せずに光る。
・位相変化(相転移)
水が凍りになるとき、分子間力という保存力の位置エネルギーが直接熱として放出される。(いわゆる潜熱)このとき、分子運動である運動エネルギーがあまり増えない。
分子間力や結合エネルギーも保存力に含まれるのですね…!化学とも繋がっていておもしろいです。「仕事とエネルギー」はイメージしにくかったのですが、実はものすごく合理的な概念なのですね。核を知った今となっては爽快感と感動の嵐です。授業や自宅学習では知ることの無い部分だったので、本当に助かりました。
正直なところもっと物理の話をお聞きしたいのですが、この場は解決済みとさせていただきます。永遠にお話してしまいそうなので。笑 また気になることがあったらDMをさせていただきます🙇🏻♀️
本当にありがとうございました🥹
なお、教科書の後半の記述から、(電荷に)つりあいを保ちながら静電気力に逆らって外力をBからAへ加えた際の外力がする仕事をAB間の電位差の定義とすることもできます。