思考 論述
75 酸化的リン酸化 ミトコンドリアには外
膜と内膜があるが, 電子伝達系での ATP 合
成は内膜で行われる。 内膜におけるATP 合
成のしくみは、以下の①~③の過程によって
行われる。 図1はこの過程の一部を示したも
のである。
① クエン酸回路で生じた水素に由来する電
子が,ミトコンドリア内膜に並ぶ電子伝
達系の酵素群で運搬される過程で生じる
エネルギーを利用して、水素イオン(H+)
をマトリックスから膜間スペース(内膜
と外膜の間の空間)へくみ出す。
HH
電子伝達系の
酵素群
H+
HTH
H
膜間スペース
内膜
ATP
H+
合成酵
H
H+
マトリックス ADP
ATP
拡大図
マトリック
-膜間スペース
外膜
内膜
ミトコンドリア
図1
②膜間スペースの方がマトリックスより水 〔注〕 ミトコンドリアの外膜には、低分子
素イオン濃度が高くなり, 内膜をはさん
(小さい分子) を自由に透過させる機
構がある。 TRICKERY
で水素イオンの濃度勾配ができる。
③内膜にあるATP合成酵素は、水素イオンが濃度勾配に従って移動するエネルギー
を利用して, ADP から ATP を合成する。
(1) 細胞から分離,精製したさまざまな基質と適実験系
度な濃度の塩を含む溶液Aに,ミトコンドリ
アを入れた実験系をつくった(図2)。 その
結果,直ちに ATP 合成反応が始まったが,
一定の時間後に基質がなくなったために, 合
成反応は停止した。 実験系の溶液Aの酸素濃
度は時間経過とともにどのように変化する
ミトコンドリア
or
or
溶液 A77
or
evs
図2
か。次のA~Fから最も適切なものを選べ。 なお、溶液Aは空気と遮断してある。
A
B
入
0724
0
0
時間
時間
時間
0
時間
定論の
溶液中の酸素濃度
E
0
時間
溶液中の酸素濃度
F