ことができる。
151 リン酸の電離と中和反応 pH
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生体にはリンを含む分子が多種類存在する。 リン酸カルシウムは骨や歯の主成分であ
り,リン酸は核酸の構成成分でもある。 また, リン酸とエステル結合したタンパク質は
細胞内の情報伝達に関わることが知られている。 リン酸は水に溶かすと次に示すように
段階的に電離する。
(1) H3PO4H+ + H2PO4-
(2)H2PO4-
Ki = 7.6×10-3mol/L
H+ + HPO42-
(3) HPO42H+ + PO43-
K2=6.2×10-mol/L
K3 = 2.5×10-13mol/L
ここで,Ki,K2,Kgはそれぞれの反応の25℃における平衡定数 (電離定数)である。
水素イオン濃度に対して水素イオン指数を pH= -10g[H+] と定義したように、平衡
定数に関してもpK = logoK と定義すると, pK=2.1,pK2=7.2, pKs=12.6 になる。
中性付近においては, [H2PO4-] や [HPO42-] に比べて、 [H3PO4] や [PO]は低いの
で、3つの電離平衡の中で (2)の寄与だけを考えることができる。
(2)の平衡の式
[H+] [HPO42-]
[H2PO4-]
=
K2
[HPO2]
pH = pK2 + log10 イ
TH2PO4
の両辺を対数に変換して
7.2
と表される。 この式から [HPO42] = [H2PO4-] のとき,pHは口であることがわかる。
問1 文中のイロを埋めよ。ロは数値で答えよ。
問2 0.10mol/L NaH2PO4 水溶液1.0Lに NaOHを加えて pH=7.2 の溶液を作りたい。
何gのNaOHが必要か。 有効数字2桁で求めよ。 なお, 原子量をH=1.0, 0 = 16.0.
Na=23.0 とする。
問30.10mol/L NaH 2 PO 4 水溶液1.0L に NaOHを加えて pH = 8.0 の溶液を作った。
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