納
基本
例題
55 等式の証明
が自然数のとき,数学的帰納法を用いて次の等式を証明せよ。
1・1!+2・2! + ・・・...+n.n!=(n+1)!-1
指針
①
数学的帰納法による証明は, 前ページの例のように次の手順で示す。
[1] n=1のときを証明。
[2]n=kのときに成り立つという仮定のもとで,
+1のときも成り立つことを証明。
[1] [2] から, すべての自然数nで成り立つ。
出発点
←まとめ
00
49
[類 早稲田大〕
p.498 基本事項 1
[2]においては,n=kのとき①が成り立つと仮定した等式を使って,①のn=k+1
のときの左辺 1・1!+2・2!+....+k•k!+(k+1)(k+1)! が,右辺 {(k+1)+1}!-Iに
等しくなることを示す。
また,結論を忘れずに書くこと。
[1] n=1のとき
注意
検討
(左辺) = 1.1!=1, (右辺) = (1+1)!-1=1
よって,①は成り立つ。が成り立つと
[2] n=kのとき, ①が成り立つと仮定すると
1.1!+2.2!+ ·+k•k!=(k+1)!-1
n=k+1のときを考えると,② から
1·1!+2•2!+…………….+k•k!+(k+1)·(k+1)!
=(k+1)!-1+(k+1) ・(k+1)!
={1+(k+1)}(k+1)!-1
=(k+2)・(k+1)!-1=(k+2)!-1
={(k+1)+1}!-1
よって, n=k+1のときにも①は成り立つ。
は数学的帰納法
の決まり文句。 答案ではき
ちんと書くようにしよう。
kは自然数(k≧1)。
①でn=kとおいたもの。
n=k+1のときの① の
左辺。
n=k+1のときの① の
右辺。
[1][2]から、すべての自然数nについて①は成り立つ。結論を書くこと。
数学的帰納法では, 仕組み (流れ)をしっかりつかむようにしよう (指針の [1], [2])。
なお, [1]でn=1の証明が終わったと考えて, [2] でn=kの仮定を k≧2 としてしまって
は誤りである。 注意するようにしよう。