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66 第2編 物質の変化
133,134 解説動画
■ 応用例題 25 NaOH と Na2CO3 を含む混合溶液
水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムを含む水溶液がある。この水溶液を
フェノールフタレインを指示薬として0.10mol/Lの塩酸で滴定したところ、
20.0 mL で変色した。続いて、この水溶液にメチルオレンジを指示薬として加え、
同じ塩酸で滴定したところ, 5.0mLで変色した。最初の水溶液中の水酸化ナトリ
ウムと炭酸ナトリウムの物質量を求めよ。
指針 まず NaOHの中和反応 (①式) が
[NaOH + HCI
Na2CO3 + HCI
NaHCO3 + HCI
起こり,さらに Na2CO3 の中和反
応 (②式)が起こる。 ① 式, ②式
の反応完了後に, ②式で生じた
NaHCO3 の中和反応 (③式)が起こる。
混合溶液と塩酸の滴定曲線は,2か所でpHが大
きく変化する。 第1中和点は②式の中和点で,フ
フェノールフタレインの変色により判定できる。 第
2 中和点は ③ 式の中和点で、メチルオレンジの変
色により判定できる。
②式 ③式
0
水溶液中のNaOH を x [mol], Na2CO3 をy [mol]
とすると、第一段階の滴定 ( ① 式 + ②式の反応) に
塩酸の滴下量[mL]
ついて, NaOH の物質量 + Na2CO3 の物質量=HCI の物質量であるから,
x [mol]+y [mol]=0.10mol/L× 20.0
L=2.0×10-3 mol
1000
第二段階の滴定のHCI の物質量
NaCl + H2O
NaCl + NaHCO3
NaCl + H2O + COz
pH
第1中和点
フェノールフタレイン
第2中和点~
メチルオレンジ
①式
第一段階の滴定のHCI の物質量
第二段階の滴定 (③式の反応)について, NaHCO3 の物質量=HCI の物質量であり,
NaHCO3 の物質量は Na2CO3と同じであるから,
5.0
y [mol] = 0.10mol/Lx L=5.0×10mol
1000
(i),(ii) 式より,
x [mol] +5.0×10mol=2.0×10mol x=1.5×10mol
圏 水酸化ナトリウム : 1.5×10mol, 炭酸ナトリウム : 5.0×10mol