る。
実践例題 ②
DNAの構造
遺伝子に関する次の文章を読み、以下の各問いに答えよ。
遺伝子の本体であるDNAは通常, 二重らせん構造をとっている。 しかし、例外的ではあるが
種類の塩基A.G. C. Tの数の割合 (%) と核1個当たりの平均のDNA量を比較したものである
1本鎖の構造をもつDNAも存在する。 以下の表1は, いろいろな生物材料のDNAを解析し、4
生物材料
アイウエオカ
キ
コクケ
- データなし
26.6
27.3
28.9
28.7
32.8
29.7
31.3
24.4
24.7
15.1
表 1
DNA 中の各塩基の
数の割合 (%)
G
C
23.1
22.9
22.7
21.0
22.1
17.7
20.8
18.5
24.7
26.0
34.9
22.8
21.1
③25.0
22.0
17.3
20.4
17.3
18.4
25.7
35.4
T
27.4
27.2
29.0
27.2
(4) 33.4
32.2
29.1
32.9
32.5
23.6
14.6
核1個当たりの
平均の DNA量
(×10-12g)
95.1
34.7
6.4
3.3
1.8
||||
問
解析した10種類の生物材料 (ア~コ)のなかに, 1本鎖の構造をもつDNAが1つ含まれて
いる。 最も適当なものを,次の ① ~ ⑩のうちから1つ選べ。
① ア
②イ
3
ウ
(4)
エ
⑥カ
⑦キ
0
解答
問1
間2
問3
⑤ オ
2017
⑨ヶ
問2 核1個当たりのDNA量が記されている生物材料(ア~オ) のなかに、同じ生物の肝臓に由
来したものと精子に由来したものがそれぞれ1つずつ含まれている。この生物の精子に由来し
たものとして,最も適当なものを次の①~⑤のうちから1つ選べ。
① ア
②イ
③ウ
4 I
5 オ
214
問3 新しいDNA サンプルを解析したところ, TがGの2倍量含まれていた。 このDNAの推定
されるAの割合として最も適当な値を、次の①~⑥のうちから1つ選べ。 ただし、このDNAは、
二重らせん構造をとっている。
ASC
16.7
20.1
⑤ 38.6
⑥ 40.2
(09. センター本試〔1〕)
8
4
4
解法
DNAの構造の問題である。
問1
2本鎖のDNAの場合、そのヌクレオチドの塩基であるA(アデニン) G(グアニ
ン) C (シトシン). T(チミン)は、AとT.GとCが相補的に結合しているので、A
とTGとCの量がほぼ等しくなる。しかし、1本鎖のDNAでは, A.G.C.TE
相補的に結合しているわけではない。したがって、1本鎖のDNAの塩基の数の割合
A=T. G=C とはならない。
ク以外の生物材料では、塩基の数の割合はほぼA=T. G=Cとなっているが.
では,A (24.4) ≠T (32.5) G (24.7) ≠C (18.4) と大きく異なっている。したが
クが1本鎖のDNAである。
なお、一般的にDNAは2本鎖であるが、ウイルスのなかには1本鎖のDNAを
のもいる。
問2 精子は減数分裂でつくられるため、そのDNA量は肝臓の半分であると考え
い。 表のア~オのなかでは.エがウの約半分に、 また. オがエの約半分になって
エかオのどちらかが精子であると考えられる。 次に 塩基A. T. G.Cの割
するとエとオは大きく異なるが, ウとエはほぼ同じである。 同じ生物に由来
含まれるDNAの塩基の数の割合は等しくなるので、精子はエであると判断で
なお, 精子にはX染色体をもつものとY染色体をもつものがあり、 個々の
た場合、 塩基の数の割合が多少異なっていると考えられる。 しかし、 多く
値を考えれば,その塩基の数の割合は肝臓のものとほぼ等しくなると考え
問3 Aの割合をx%とおくと,A=Tなので.
A=T = x... ①
また, TがGの2倍含まれていたので.
BUT T=2G=x
G=-2/22
となる。 G=Cであるから.
G=C=-
=
2
4種類の塩基の数の割合の合計は100%となるので.
A+T+G+C = 100... ③
①.②③に代入すると,
x
x+x+++ -=100
2 2
2x+ x = 100
3x=100
100
x=3
したがって、最も近い答えは ④33.4となる。
- ≒33.3
図 DN
塩基の製
A+¯
A=
とな