まず、組成式と分子式の違いを解説します。どちらも化学式というグループの一部です。
組成式は元素の種類とその「比」を表すものです。例えば塩化ナトリウムはNaとClが1:1の比を保って無数にイオン結合するので、NaClと表記します。
分子式は1つの分子に含まれる元素の「数」を表しています。例えば、水はH2Oのように表記します。
要は、比に着目するか数に着目するかです。
これを踏まえてもう一度この問題を考えてみましょう。Ag(銀)は金属ですから金属結合します。しかし、Ag原子は無数に金属結合して金属結晶となるので分子式で表すのは不可能です(Ag∞というのは見たことがないですよね)。よって、もっとも簡単な比のAgという組成式で表すのです。