ノートテキスト
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須磨 →政治的敗北者が赴く場所 行平 この地に流され 開居 桐壺帝の死 弘徽殿 御との子ども - 朱雀帝の即位 ・藤壺の中宮の出家 ・朧月夜の尚待との関係が露呈 Date
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語句 とどしいそう、ますます 戯れ言 冗談 いみじのひどい、悲しい ②優れている、立派だ ■唐の綾→唐の後織物(絹の布) ひどく物寂しい おどろくし と目覚める あ なしで)わけもな ( 程度(本文では身、 の程度を示す) すさぶしいのまま興じる なつかしし心がひきつけられるさま つとし じっとそ そのまま 日中し→恐しいほど美しい ■所がらし場所がら (ここでは(庭)の性質を表す) なよよか(なり)→(衣服が)や かくしなやか どけなし→乱れている、ゆったりした 0
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れな 無情な、平 (ひ砕く 思い苦しむ 故人→古くからの友人、旧友 ひとへしもれだけで他に重なるものがない
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須磨 この日 須磨には、いとど心づくしの秋風に、 磨には、ますます物思いをさせる秋風のために、 住まいから海は少し遠いけれど、 海は少し遠けれど、行平の中納言の 行牙の中納言が(かって)、 「関吹き越ゆる」 L と言いけむ浦波、夜々はげに 夜ごとに本当に いと近 こえて またなくあはれなるものは、 たいそう近く聞こえて この上なく心に染みるものは (NN) かかる所の秋なりけり。 このような所のであった。 (須磨 御前にいと人少なにて、うち休みわたれるに、 光源氏の御前にはとてもお付きの人みんな寝静まっていて、 は少なくて、 ひとり目をさまして、枕をそばたてて ひとり目を覚まして 光源氏は 四方の嵐を 枕を立てて頭を高くして周りの激しい風を
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叩きたまふに、波ただここもとに立ち来る 聞きなさっていると、波がすぐここの所まで打ち寄せる 心地して、涙落っともおぼえめに、枕浮く 気がして 涙が落ちると われないのに、枕が浮く 泣いてい 自分では けり。琴を かき鳴らし ほと なってしまった。 琴を少しかき鳴らし 刑7月 たまへるが、我ながらいとすごう聞こゆれば、 なさったが、 我ながらとても寂しく聞こえるので、 弾きさしたまひて、 途中で弾くのをおやめになって、 いろ 女性たち と思って 「恋ひわびてなく音にまがふ浦波は 「人を恋しく思い、つらくて泣く声 聞き 波の音は 思ふ方より風や吹くらむ」 私が思う(人が住む都)方角から風が吹くからそう聞こえるの だろうか」 お供の人は目を覚まして とうたひたまへるに、人々おどろきて、 朗なさった。
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生可能 めでたうおぼゆるに すばらしく思われて我慢できず 和解に FJN 起 ている きみつつ 0 自を忍びやかにかみわたす 起こしては、みんな鳥をこっそりとかんでいる。 現推 理由 「げにいかに思ふらむ、 我が身ひとつにより 「本当に仕える人はどのように 思っているだろうか、 私一人のために、伝える者たちは はらから 親兄弟、片時たち離れがたく、 ほどに 親兄弟で、ほんの少しも離れがたく、それぞれの身分に つけつつ思ふらむ家を別れて、かく感ひ 応じて思うだろ 家を離れて w ' る。とおぼすに いみじくて このように 私とさまよって この先どうなるか 「分からないのに くれている。と光源氏は お思いになると、ひどく切なくて 「いとかく思ひさまを、心細しと 「(私がたいそうこのように思い沈んでいる様子を、この人たちは 現催 思ふらむ。とおぼせば、昼は何くれと 細い 思っているだろう。 考えになるので、又はあれこれと KOKUYO LOOME-LEA ABAT 7 ☑ 光源氏の日常
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戯れ言うちのたまひまきらはし 冗談とおっしゃって気をまぎらわし、 つれづれなる 所在なさにまかせて、 反 まま いろいろの紙を継ぎつつ 色とりどりの紙をつないでは、 手習ひを 卵などを したまひめづらしきさまなる唐の 書きなさったり、珍しい様子の 唐 門などに、 さまざまの絵どもを書きすさびたまへる 様々な絵を 色気の向くままに描いてい 屏風の面どもなど 屏風の いとめでたく見どころ とても素晴し とうみやま あい がお 人々の語りきこえし海山のありさまを 申し上げていた海山のようすを 北山で 200 はるかにおぼしやりしを 卵目近くては はるか遠く思いをはせてい 御自分の目の前で りに及ばめ磯のたたずまひ / (今のように) 二なく 御覧になそは、 美し 箱の風景もまたとなく
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名 0 書き集めたまへり 描き集めていらしゃ る 「このごろの上手に ° 「近頃の世間で私ということに すめる千枝、常則などを召して、作り絵 なっている千枝、常則 をお召しになり、光源氏の親に) 彩色を 「 便望 / うまつらせばや」と させ申し上げたいものだ。と、(お付きのんは) 心もとながりあり お互いにじれたく思っている。 なつかしうめでたき御さまに 世のもの (光源) 立派なご様子 み付きのんにせのつらい 親しみのある 思ひ忘れて、近う馴れ仕うまつるを いれて、身近に親しくおほん申し上げることを うれしきこ 四、五人ばかりぞ、 うれしいことである つとさぶらひける。 いつもお側にお伝え申し上げていた。 四、五んばかりが、 KOKUYO 10055 AF 7m 31
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ふるさとへの思い 龍我の花いろいろ咲き乱れ、おもしろき 庭先の植込みの花が 様に咲き乱れて、趣き深い 自発 夕暮れに、海見: るるに出でたまひて、 夕食に、海が見渡される廊下にお出になられて、 たたずみたまふ御さまの、ゆゆしう 光源氏の しばらく立ち止まっていらいるお姿が、恐しいほど美しく神しさ 清らなること、所がらはましてこの世の 華麗である様は、須磨という場所からだけに一番この世の ものと見えたまはず ものとはお見えにならない。 白き ⑥なよよかなる りの下着でやわらかな下着に をんいろ 紫苑色などたてまつりて 背苑色の指質などをお召しになって、 こまやかなる なほ 御直衣 新色の御直衣に、帯がゆったりとして乱れなさっている 帯しどけなくうち乱れたまへる
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さま 2 牟尼仏の弟子と 御様子で 」と のりて ゆるるかに読みたまへる。 N ゆっくりとお読みになるわ声が、 また世に知らず聞こゆ ほの 0 またこの世のものとは 尊く m ただ小さき鳥の浮かべると見やらるるも ただ小さい島が浮かんでいるように遠く眺められるのも、 心細げなるに、届 の連ねて鳴く声 心細い感じである MB VHEL からの音にまがへるを 舟をこぐ梶の音にまちがえるほど 似ているのを うちながめ (源氏君は)物思いに沈みながら お眺めに たまひて なられて 「涙のこぼるるをかき 涙がこぼれるのを かき払 のけ たまへる御手つき 黒き御数珠 なさったお手の様子が、黒い御珠に () KOKUYO LOOSE LEARNT 7
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映えたまへるは、ふるさとの女恋 美しく映えていらっしゃるおまは、ふるさとにいる女性を恋しく思う *連なる・仲間 みな慰みにけり。 。 故郷を離れて旅をする 人々の心がすっかり慰められるのだった。 常 世 雁の縁語 はつかり 定 不老不死の 寂しさ 世界) www 「初風は恋しきんのつらなれや 「初雁はいいろ)恋しい人の仲間なのだろうか 旅の空飛ぶ声の悲しき」 春に残してきた人の 旅の空を飛ぶ雁の声が悲しく聞こえることだ。 悲しみを思いやる気持 とのたまへば、良清、 とお読みになると、良清 <良清〉 春の生活を懐かしい 「思ほ」 望郷の思い 「かき連ね昔のことを思心ほゆる 「次から次へと昔日のことが思い出されます(雁を見ていると) ず 昼はその世の友ならねども」 俺は都にいた当時の友ではないけれど」 旅をするとは 思っていなかった
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そばのたい 民部大輔 民部大輔は、 「心から常世を捨てて鳴く雁を 「 思いから故郷である常やせを捨てて鳴く雁を 雲のよそにも思ひけるかな」 雪のかなた よそのことに思っていたもの さきのうこんのぞう ⑥自分とは無縁 前右近将監 の空 存在 (前右近将監〉 「常世出でて旅なる雁 七列に 故郷を離れても 仲間といるうちは 常 を出て旅の空にいる雁も仲間と おくれぬほ はぐれないうちは心が慰んでいます 友或いはしては いかにはべらまし。 友を見失っては どういう気持ちになることでございましょう。 ひたち と言ふ。親の常陸になりて下りにも と言う。(三男は父が常時になう、作国に下 9 KOAVYO KOOS LEAD AT 7
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0 誘われで、参れるなりけり 同行せずに、光源氏に半 下には のであった。心の中では 思ひ砕くべかめれど、誇り 思い悩んでいるようだが、元気そう かにもてなして 八月十五夜 つれなきさまにしありく。 (表向きには)平気なようすで日を過ごしている。 月のいとはなやかにさし出でたるに、 月がたいそう美しくさし出てきたので、 「今宵は十五夜なりけり。とおぼし出でて 源氏 今宵は十五夜だったのだなぁ。と思い出しになって 殿上の御遊び恋しく、 羽球殿での管弦の御遊びが恋しく、
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現 「所々ながめたまふらむかし。 「あの人はこの月をしみじ 都の女性たち 思ひやりたまふにつけても 思いなさる つけても、 自発 月の顔のみまもられたまふ。 月の面ばかりつじっと見つめておしまいに すう なる。 「二千里の故人の心」と論じたまへる。 じなさると 例の涙涙もとどめられず。入道の宮の いつもの涙をこらえることができな 〇人道の宮が、 白居易 宮中 孤 旧元九 藤壺の中宮が 「霧や隔つる」とのたまはせしほど 九重山宮中 霧→弘療 "「九重に霧降つる雲の上の「宮中に霧が隔てていることだ 月をはるかに思 らかな」 極上の月をはるかに思ひゃるかな」 と卵を詠みなさった時のことが、 言はむ方なく恋しく、折々のこと 言いようもなく恋しく、その時々のことを 雲の上の月朱雀帝 思い出でたまふに よよと泣かれたまふ。 お思い出しになっており いておしまいになる。 KOKUYO (DOSE LEAF AT 7
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「夜更けはベりぬ」と聞こゆれど、 「夜も更けてしまいました。とお供の人が申し上げたが、 なほ入りたまはず 源氏はそれでも部屋 見るほ 月を見て 0 四 ない。 ぞしばし和むめぐり会はむ 「二句切れ 心がむことだ ●再び釈に帰り 月の者は るかなれども 月を見いるのは、 か先ではあるけれど (日) 鹿の女が歌 贈った夜 主 その夜、上のいとなつかしう昔物語など その夜、朱雀帝がとても親しく昔の思い出話を 尊作朱過去 したまし御さまの しなさった御様子が、 謙作 調理院 院に似たてまつり 亜院に申し上げ 尊作朱 たま 少しも、恋しく思ひ出できこえたまひて、 なさっていたのも、源氏は恋しく思い出し申し上げなさって *醍醐天皇から賜ったもの 見 の網だは今ここにあり」と 菅原道真の詩 (左遷され太宰府) C C
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朱雀帝から騙った おんぞ ° 誦じつつ入りたまひぬ 口ずさみながら 道真公の 御花はまことに ように 031111110 傍らに置きたまヘリ 傍らに置いておいた。 →道と自分の 境遇を重ねる 「 憂しとのみひとへにも ひたすらつらいとばかりに感心いん は思ほえで はせず www 左右にもぬるる袖かな 恋しさとつらさの で涙に濡れる袖であることだ
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古文単語の「こちたし」は仰々しい。という意味で、おおげさな感じなのかなと捉えていたのですが、「ところせし」の意味にもおおげさだ。という意味があり、どうやって使い分けるのですか?🙏🏻
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『もの病みになりて、しぬべきときに』という一節が、参考書では、病気になって死にそうな時にと、書いてありました。死にそうな時にというニュアンスはどこから来るんですか
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