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① ソヴィエトが労働者階級の意見を代表する機関なのに対し、臨時政府は資本家階級の意見を代表する機関で、意見の相違が明らかになっていました。しかし、メンシェヴィキは暴力による政府打倒を認めず、エスエル右派もリーダーシップに欠けていたため、ソヴィエトは臨時政府打倒へと動くことができず、二つの機関が併存する状況が続いていました。これを二重権力状態と言います。
② ボリシェヴィキが「全ての権力をソヴィエトに」と労働者を鼓舞して臨時政府を倒すと、ソヴィエト政府が唯一の政治機関となりました。ボリシェヴィキは一刻も早く戦争を終わらせて労働者を救済するという考えを持っていたので、ソヴィエト政府は直ちに敵国ドイツと講和条約を結びました(ブレスト=リトフスク条約)。しかし、その代償としてフィンランド・ウクライナ・ベラルーシ・ポーランドなどの旧帝国領をドイツに割譲しなければなりませんでした。
③ ロシア帝国・オーストリア帝国・オスマン帝国といった多民族国家においては、政治に参与できるのは一部の民族だけだったため、それ以外の被支配民族が不満を抱いていました。民族革命とは、第一次世界大戦による被害を受け、帝国政府の支配力が弱まったこと・戦争に巻き込まれた被支配民族の不満が頂点に達したことで、それぞれの民族が自らの独立国家を築くことを目指して決起したものです。ウクライナは17～18世紀にロシア帝国に征服されており、フィンランドも19世紀初頭のナポレオン戦争のどさくさに紛れてロシアが征服したため、これらの地域の民族が独立を目指して立ち上がったのです。このうちフィンランドの民族革命は成功しましたが、ウクライナの民族革命は社会主義革命に制圧され、ウクライナはソヴィエト連邦の傘下に組み込まれました。
