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C ストロマで起こる反応 (NADPH, ATPの利用)
ストロマでは,チラコイドの反応で合成され
たNADPHとATPを用いて, 二酸化炭素が固
定され, 有機物が合成される。 この反応経路は,
多くの酵素が関与する化学反応からなり, カ
かい
Calvin cycle
光
Guide
ガイド
NADPH
ストロマで
起こる反応
ATP
葉緑体
有機物
ルビン回路と呼ばれる。 カルビン回路の反応過程は、二酸化炭素の有機物への固定。
PGAの還元, RuBPの再生の3つの段階に分けることができる。
●二酸化炭素の固定 カルビン回路では, 細胞内に取り込まれた二酸化炭素は、まず
C5 化合物であるリブロースビスリン酸 (RuBP) と反応し, C3 化合物であるホスホグ
ribulose 1,5-bisphosphate
phosphoglycerate
ribulose 1.5-bisphosphate carboxylase/oxygenase
リセリン酸 (PGA)2分子となる。 この反応は, RuBPカルボキシラーゼ / オキシゲナー
ゼ (RubisCO, ルビスコ) と呼ばれる酵素によって促進される (図9-①)。
●PGAの還元 PGA は, ATP によってリン酸化されたのち, NADPHによって還
元され, C3 化合物であるグリセルアルデヒドリン酸 (GAP) となる(図9-②)。
glyceraldehyde phosphate
●RuBP の再生 GAPの多くは,いくつかの反応を経たのち, RuBPに戻る (図9-3)。
カルビン回路では, 6分子の二酸化炭素につき, 18分子のATPと12分子のNADPH
が消費されて2分子のGAPが同化産物として得られ, 光に由来するエネルギーがこれ
に貯えられる。このGAPが糖などの有機物に変えられ, 生命活動に利用される。
②PGAの還元
①二酸化炭素の固定
PGA
ルビスコ
×12
-12 ATP
C3
6 CO2
6 ADP
RuBP
C5 X6
+6(P
6 ATP
→ 12ADP +12 P
C3 x 12
-12 NADPH +12 H
カルビン回路
→12 NADP+
C3 ×10
C3 x 12
H2O
回路全体で, RuBP 6 分子に
つきH2O 6分子が生じる。
GAP
GAP
③RuBP の再生
有機物
C3 x2
図9 カルビン回路
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