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10 第1章 極限 連続関数
V3 > 1 = a より
が成り立つと仮定すると、
を数学的帰納法により示そう.n=1のときはα2 =
(**) が成り立つ。 (**) でn=kとした ak+1 > ak
Qx+2 = Vak+1 + 2 > Vax + 2 =0k+1 であるから, (**) はn=k+1におい
ても成り立つ。ゆえに, 数学的帰納法により (**) が示され, {an}は単調増加
数列である.
道) (有界性)
[偽解] と {an}の単調性より, すべてのnに対してan <2が
成り立つことが予想される. それを数学的帰納法で証明しよう.n=1のとき
には明らかに正しい。am-1 <2と仮定すると, an <v2+2=2であるから
すべてのnに対して <2が成り立つことが示された.
以上により, (*) で与えられた数列が収束することがわかったから,あとは,
[偽解] をそのまま繰り返せばよい.
別解 ([偽解] によってか,または別のなんらかの方法によって,極限値は
2であるとの目星がついているものとする. しかしそのことには楽屋裏に隠し
て) 極限値が2であることを証明する (と, 天下り的に始める).
|an-2|= |van-1 +2-2|=
| (an−1+2)-221
Van-1+2+2
2
≤ ≤ (2) 10
n-1
Jan-1-2
2
次の定理は重要である.
定理 1.1.5. 数列
|an-2-2|…
は,n→∞のとき収束する.
証明 定理 1.1.4 を使う.
n-1
であり, n→∞ のとき
注 (1/2)" 0 は,ここでは直感的に明らかとして使ったが,証明は,問
1.1.1 (p.13) としておく.
an = (1+1)
≤ (1) *
→0であるから, an 2である.
n
|a1-2|
■
(1.1.5)
i) (単調性)二項定理13 により
an = (1 + ²)"
=1+-+
n
1
- 1 + ² + (₂¹ (²+...+(-)-(-)
2
n(n-1)/1
=
n
2!
n!
n 1nn-1
2! n
1nn-1n-2
n
3!n n
n
1
=1
+ ¹ + 1 (¹ - ¹) + ¹ (¹ - - ) (¹ - 3) +---
1-
2!
(1
1-
3!
+ -/+ (¹ - ) --- (¹ - ¹ = ¹).
(1)
(1-^-¹).
n!
an+1 = 1+1+
13
+
ii) (有界性) 上の an の計算式の4~5行目より
1
an < 1+1+
1
2!
+...+
1
1.1
+・・・ +
= 1+
数列の極限
n!
1
2n-1
同様に
+ ¹ + 2/1 (¹ - - ² + 1) + + - - 1 (¹ -²-₁)---(1----1)
1-
2!
1-
n+
n!
<1+
1
n+
1nn-1
n! n n
1
+ (n + 1)! (1 - ~ + ₁) --- (1 - ~ ²+1).
n+1
an
と an+1 の違いは分母がnからn+1に変わっていることと、 最後の項が追
加されていることである.ゆえに, an < an+1 であり, {an}は単調増加数列
である.
11
<1+1+ +... +
2
1-(1/2)"
1-1/2
ゆえに, {an}は上に有界である.なお, 2番目の不等式ではn! = 1.2.3.....n>
1・2・2・・・・2 ((n-1) 個の2) を使った.
定義 1.1.3 (eの定義) (1.1.5) で与えられた数列の極限をeと書く.
1
n
1
1-1/2
= 3.
n+1
付録 A.2 参照.
14 この有界性の証明からもわかるように, 数列{an}が上に有界である。 すなわち M
となる M が存在することを示すには, ぎりぎり小さな M をもってくる必要はない。