陽子 しかも、江戸での生活となると、 何をするにも貨幣が必要だものね。 鍋島藩の財政の内訳をみてみ
ると、国元では、経費にあてられた年貢米のうち、貨幣に交換されて支出されるのは1割に満た
ないのよね。 だけど、 鍋島藩は総経費、 つまり年貢米約7万8千石のうちb約4割を、主に西日
本で流通していた銀貨に換えているわね。
夕子 そして、その銀貨のうち、 ( 2 ) %以上が、 参勤交代や江戸の大名屋敷の経費として、国元以外
での支払いに使われてしまっているのね。 参勤交代っていうと、おおぜいのお供が整然と歩いてい
くイメージがあるけど、鍋島藩は船まで借りて、下関から大阪まで、瀬戸内海を行列したのね。 の
ちに ( 3 ) 廻り航路として整備されるルートね。
陽子 お殿様って優雅なものだと思っていたけれど、なかなか大変そうね。当時の人口のd約6割を占め
ていた農民からしっかり年貢を徴収しないといけないし、商人と取引する時のお米の値段も藩の財
政に大きく影響するものね。 お米の値段が下がってしまったら藩の財政はよけい苦しくなっちゃ
う。 鍋島藩ではf行列のお供の人たちの費用は全て各自に負担させていたのね。
B 鍋島(佐賀) 藩の予算 (1655年)
内
訳
参勤交代経費 注3
江戸藩邸経費
大阪天満蔵屋敷経費
国元(佐賀) 経費
下関経費 注4
総経費 年貢米 78,448 石
Ža-
現米 36,703 石 注1
(内訳ごとの現米の割合)
1,200 石 (3.3%)
453 石
(1.2%)
3,345 石
(9.1%)
31,237 石
(85.1%)
468 石 (1.3%)
米 41,745 石
い a一正 b一正
お a-誤 b 一正
わんめ
代銀 1,292,346匁 注2
(内訳ごとの代銀の割合)
(36.5%)
(56.6%)
472,000匁
731,430匁
88,916匁
(6.9%)
一誤
一誤
内訳ごとの
(1) 下線部a~cについて正誤を判断し、 その組み合わせとして正しいものを1つ選び、記号(あ~か)
で答えなさい。
a-E b-E c-E
b-E c-E
経費の割合
19.9%
28.9%
4.6%
46.0%
0.6%
a 一正 b-誤 c一正
か a b 誤 誤