例題 7 核酸の塩基組成
~基本問題 27, 38~41, 発展問題 51
核酸には DNAとRNA があり,その構成要素はほとんど同じであるが, DNA は
2 本鎖RNA は1本鎖である。 ある DNAの転写によって合成された RNA につい
て,塩基の組成を調べた。 その結果, アデニン (A)が22%, グアニン (G)が16%,
ウラシル (U)が33%, シトシン (C) が 29%であった。 次の問いに答えよ。
(1) DNAを構成する塩基のうち, RNA のアデニンと相補的な塩基の名称を記せ。
(2) RNA の鋳型となったDNA鎖の塩基配列について,各塩基の割合 (%) を答えよ。
(3) この2本鎖のDNAについて, (2) の塩基配列が含まれる部分の各塩基の割合(%) を答えよ。
解答
考え方 (1) アデニン (A) と相補的な塩基は, DNA 中のチミン (T) と RNA 中のウラシル
(U) である。
(1) チミン
(2) A・・・33%
G・・・ 29%
(2)塩基の相補性より, RNA 中のグアニン (G) = 鋳型の DNA 中のシトシン (C)。 他も
同様に考える。 ただし, RNA 中のアデニン (A) =鋳型のDNA 中のチミン (T)。
(3) DNAは2本のヌクレオチド鎖の塩基が相補的に結合しているため, DNAに含まれ
る4つの塩基の割合には次の関係がある。
T・・・22%
C・・・ 16%
アデニン(A)=チミン(T)
グアニン (G)=シトシン (C)
(3) A・・・27.5%
G・・・ 22.5%
(2) より 一方のヌクレオチド鎖の塩基組成がわかっているので,相補的な関係にある
もう一方のヌクレオチド鎖の塩基組成は,
T・・・ 27.5%
アデニン (A)...22% グアニン (G)... 16%
C・・・ 22.5%
チミン (T)... 33%
シトシン (C)・・・29% となる。
よって, この部分の各塩基の割合は,
アデニン(A)=チミン(T)=22%+33%=27.5%
グアニン (G)=シトシン(C)=16% +29% = 22.5%
=
2
1-2, 3-2, 3-3