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フェノールの酸性は二酸化炭素の水溶液の酸性より弱い。そのため
ナトリウムフェノキシドの水溶液に二酸化炭素を通じると, フェノールし
が遊離する。また,塩酸などの強酸やカルボン酸などを加えても,同じ
0臭素化 フェノールはベンゼンよりも置換反応が起
こりやすい。例えば, フェノールの水溶液に臭素水を
加えると, 2,4,6-トリブロモフェノールの白色沈殿が
出じる。この反応は, フェノールの検出に用いられる。
O図33
OH
くフェノールが遊離する。
ONa
+ CO2 + H:O
HO
+ NaHCO。
OH
Br
+ 3HBr
弱酸の遊離
(52)
Br、
+3Br2
臭素化
(54)
O図33 フェノー
酸の強さの比較
ルと臭素水の反応
Br 2,4,6-トリプロモフェノール
硫酸·塩酸·スルホン酸> カルボン酸> 二酸化炭素の水溶液> フェノール類
0ニトロ化 フェノールを混酸と反応させると, ニトロ基が0-位やかー
Op.337
位に結合した化合物が, 順次生成する。
の検出反応 フェノール類の薄い水溶液に, 黄褐色の塩化鉄(I)FeCls
の薄い水溶液を加えると, 青紫~赤紫色に呈色する。この反応はフェノー
ル類の検出に用いられる。
0-ニトロフェノール 2,6-ジニトロフェノール
OH
NO.2
○図 32
OH
-NO2 O:N、
10
OH
HNO, ON、
および
OH
NO2
(55)
HNO。
HNO。
サリチル酸
(Op.34)
サリチル酸
メチル(Op.345)
および
ベンジル
アルコール
フェノール
0- クレゾール
アセチルサリ
チル酸(Op.345)
ニトロ化
ニトロ化
ニトロ化
OH
NO2
OH
NO2
ピクリン酸D
(2,4,6-トリニトロフェノール)
NO。
NO2
カーニトロフェノール 2,4-ジニトロフェノール
(紫)
(青)
考芳香族置換反応の配向性
(赤紫)
(赤紫)
(呈色しない)
(呈色しない)
OH
Cct
CH,OH
HO-
"COOH
HO
-OH
OCOCH
フェノールのニトロ化では, おもにo-ニトロフェノールとかーニトロフェ
ノールが生じ,m-ニトロフェノールはほとんど生じない。 このように,
ベンゼンの一置換体に.さらに置換反応を行わせようとする場合, すでに
稲合している置換基により. 2つ目の置換基の入りやすい位置が決まる。
オルト·パラ配向性
"COOCH。
-COOH
O図 32 塩化鉄(Ⅲ)水溶液による呈色反応 ベンゼン環に -OH が直接結合していないベン
ジルアルコールやアセチルサリチル酸は, フェノール類ではない。 したがって, 塩化鉄 (Ⅲ)水
溶液を加えても青紫~赤紫色にはならない。
OH
OH
-NO2
および
OH
B フェノールの反応
0ナトリウムとの反応 融解したフェノールは, アルコールと同じよう
に単体のナトリウムと反応し, 水素を発生する。
-OH, -NH2, -CH3, -CI など
の基が結合している場合, o-位
とかー位が置換されやすくなる。
メタ配向性
ニトロ化
NO。
フェノール 0-ニトロフェノール pーニトロフェノール
(m-置換体は少量)
HO
+ 2Na - 2
NO。
2
ONa
NO2
+ Het
ナトリウムフェノキシド
-NO2, -COOH, -SO;H などの基が結合
している場合, o-位とかー位が置換されにく
くなり,m-位が相対的に置換されやすくなる。
(53)
*
ニトロ化
NO2
102
mージニトロベンゼン
(0-,p-置換体は少量)
D ピクリン酸(O p.341) など, まれに呈色しないものもある。
水溶液は強酸性を示す。
340
第4
中 れた
フェノール水溶液
臭素水