茶やクレアチニンなどの尿中の濃度は,血しょう中の濃度より高
くなっている。 糸球体の血管からボーマンのうへのろ過は,圧力がかかって行われること
から,グルコース, 尿素, クレアチニン, 無機塩類などの小さい物質はそのままろ過され
る。このため, 原尿におけるこれらの物質の濃度は,血しょう中とほぼ等しいと考えられ
る。 その後, 細尿管で再吸収が行われるが, 老廃物の尿素などは再吸収されにくいため、
尿中へ出てくるものが多い。 この際, 水が細尿管と集合管で99%以上再吸収されるので.
再吸収されなかった物質は,血しょう中よりも尿中のほうが濃縮されることになる。
(1) 尿中のタンパク質とグルコースの値は0である。 その理由をそれぞれ答えよ。
(2) Na+, K+, クレアチニン, イヌリンおよび尿素の濃縮率を計算せよ。
(3)100mLの尿がつくられるとき, イヌリンの濃縮率から考えて、ボーマンのうにろ過
された原尿は, 何mL と推定されるか。 また, 再吸収された水は何mLか。
(4) (3)の条件のとき, 細尿管を通る間に血管に再吸収された尿素の質量は何gか。 ただし,
血しょう, 原尿 尿の1mLあたりの質量は1gとする。