例題 3 酸化還元反応の量的関係 (酸化還元滴定)
濃度不明のシュウ酸水溶液10.0mLを三角フラスコに取り, 少量の希硫酸を加え
て酸性にした。 これを温めながら0.010mol/Lの過マンガン酸カリウム水溶液を少
しずつ加えていったところ, 16.0mL加えたところで滴定の終点に達した。
MnO4 + 8H+ + 5e → Mn²+ + 4H2O
(COOH)2
→ 2CO2 + 2H + + 2e¯
(1)この滴定の終点での溶液の色の変化を記せ。
・・・・・(i)
.... (ii)
(2) 硫酸酸性の過マンガン酸カリウムとシュウ酸の反応をイオン反応式で書け。
(3) このシュウ酸水溶液のモル濃度は何mol/Lか。
解説 (1) 滴下したKMnO 水溶液がシュウ酸水溶液と反応している間は, (i) 式の反応により,
MnO4 (赤紫色)Mn²+ (無色) に変化するため, 水溶液は着色しない。 しかし, 終点を過ぎ
ると,滴下された MnO4がそのままフラスコ内に残り,溶液が薄い赤紫色になる。
(2)電子 e-を消去するように, 酸化剤と還元剤の式を組み合わせてつくる。
(i) x 2 + (ii) × 5より, 2MnO4+6H+ + 5 (COOH)2
→
2Mn2+ + 10CO2 + 8H2O
(3)(i)式より, 1molのKMnO4 はe-を5mol受け取る。 (ii) 式より, 1molの (COOH)2は2mol
のe-を与える。 酸化還元反応において,
酸化剤が受け取る e-の物質量=還元剤が与えるe の物質量
の関係があるので,シュウ酸水溶液のモル濃度をc [mol/L] とすると,
解答
16.0
0.010mol/L× -L×5 = cx
10.0
-L×2
1000
1000
c=0.040mol/L
(1) 滴下した過マンガン酸カリウム水溶液の赤紫色が消えなくなる。
(2)2Mn04 + 6H+ + 5 (COOH)2 → 2Mn2+ + 10CO2 + 8H2O
(3)0.040mol/L