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基本例題 73 三角形の傍接円,傍心
△ABC の ∠B, ∠Cの外角の二等分線の交点をIとする。このとき,次のことを
証明せよ。
(1) I を中心として, 辺BC および辺AB, AC の延長に接する円が存在する。
(2) ∠Aの二等分線は, 点Iを通る。
指針 (1) 点P が ∠AOB の二等分線上にある
を利用する。
I から, 辺BC および辺AB, AC の延長にそれぞれ垂線IP,IQ, IR を下ろし, これら
の線分の長さが等しくなることを示す。
(2) 言い換えると「∠B,∠Cの外角の二等分線と∠Aの二等分線は1点で交わる」とい
うことである。点I が ∠QAR の2辺 AQ, AR から等距離にあることをいえばよい。
なお,(1) での円を △ABCの傍接円といい, 点Iを頂角 A内の傍心という。
⇔点Pが∠AOB の2辺 OA, OB から等距離にある
解答
Iから,辺 BC および辺 AB, AC の延長にそれぞれ垂線 IP, IQ, IR を下ろす。
口 (1) IB は ∠PBQ の二等分線であるから IP=IQ
A
IP=IR
ICは∠PCR の二等分線であるから
よって
IP=IQ=IR
また, IP ⊥BC, IQ⊥AB, IRICAであるから, I を中心とし
て、辺BC および辺AB, AC の延長に接する円が存在する。
IQ=IR であるから,点Iは∠QAR の2辺
AQ, AR から等距離にある。
ゆえに,点Iは∠QAR の二等分線上にある。
したがって,∠Aの二等分線は,点Iを通る。
〔類 広島修道大]
基本68
検討 傍心傍接円
三角形の1つの頂点における内角の二等分線と、他の2つの頂点におけ
る外角の二等分線は1点で交わる。この点を(1つの頂角内の)傍心とい
う。また,三角形の傍心を中心として1辺と他の2辺の延長に接する円
が存在する。この円を,その三角形の傍接円という。
1つの三角形において,傍心と傍接円は3つずつある。
なお,これまでに学習してきた三角形における外心,垂心,内心,重心と
傍心を合わせて、三角形の五心という。
練習 △ABCの頂角 A内の傍心を
072
P
3 ---
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BAC
1
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