[リード C'
大学入学共通テスト対策問題
リード C+
26 次の文章を読み、以下の問いに答えよ。
ある種の蛾は、性染色体の構成がZW/ZZ (雌がZW, 雄がZZ) であり, 集団の雌
雄比が1:1であることが知られている。 実際に良子さんが、 2つの地域で10個体ず
つ採集したところ, A 地域では雌= 4匹, 雄=6匹であり, B 地域では雌=5匹, 雄
=5匹であった。 ところが, C 地域から10個体の蛾を採集して, 外部形態から雌雄
を判定したところ, 雌 = 9匹 雄=1匹であった。
そこで良子さんは以下のレポートを作成した。
C地域の蛾の集団では,雌雄比が1:1ではないのか、 もしくは偶然に極端な
雌雄比で採集されてしまったのか,どちらの可能性が高いのかを考察する。
そのために以下の2つの排他的な仮説を立て,仮説1のもとで雌雄比9:1が
十分起こりそうなことであるならば仮説1を採択し, 起こる確率が小さければ
(ここでは 0.05 以下とする), 仮説2を採択することとする。
仮説1:C 地域の蛾の雌雄比は1:1である。
仮説2: C 地域の蛾の雌雄比は1:1ではない。
雌雄が混在する集団から無作為に10個体の蛾を採集した場合, すべてが雌ま
たは雄である場合の数は(ア)通りである。 また, 1個体のみが雌または, 1
個体のみが雄である場合の数は (イ)通りである。 C 地域の雌雄比が1:1 (仮
説 1) ならば,このようなことが発生する確率は((ア)+(イ))/(ウ)
で求められる。この値は 0.05 よりも小さいので,仮説1は棄却され, 仮説2を
採択する。
もっとも, C 地域の蛾の雌雄比は1:1であったのに,今回の採集で雌雄の数
がたまたま雌= 9匹, 雄=1匹になってしまい, 本当は仮説が正しかったにも
かかわらず仮説2を誤って採択してしまった可能性は残っている。
(1) 空欄(ア)~ (ウ)に当てはまる最も近い数値を、次の① ~ ⑧ からそれぞれ選べ。
①1 ②2 ③10 4 20 5 100 6 200 71000 8 2000
(2) 良子さんは仮説2 を受け入れたものの, さらに研究を進めることにした。文献調
査をしたところ, ある種の蚊においても, 雌雄比が著しく雌にかたよる地域があ
り, 「ある種の原核生物が雌の蚊に寄生したことが, その原因として考えられる」
と報告されていた。 良子さんが C 地域の蛾の雌と A 地域の雄を実験室で交配した
ところ, 生まれてきた子世代(F,) がすべて雌になる親個体が存在した。 そこで,
F] として生まれてきた雌の蛾を実験材料にして, A 地域の雄と交配し, その子世
代の幼虫のえさに, 原核生物の増殖を阻害する抗生物質テトラサイクリンを混ぜ
して飼育し続けたところ, ある雌から生まれてきた子世代はすべて雄だった。 この