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演習 例題 121
合同式の性質の証明と利用
(1) p.492 基本事項の合同式の性質 2, および次の性質 5を証明せよ。 ただし
は整数, m は自然数とする。
5aとが互いに素のとき ax=ay (modm) x=y (modm)
(2) 次の合同式を満たすx を, それぞれの法mにおいて, x=a (modm)[aは
より小さい自然数] の形で表せ (これを合同方程式を解くということがある)。
(ア) x+4=2 (mod6)
(イ) 3x≡4 (mod 5 )
p.492 基本事項③3)
指針 (1) 方針は p.493 の証明と同様。 ■ (mod m) のとき, ■はmの倍数である。
合同式 加法・減法・乗法だけなら普通の数と同じように扱える
(2)
(イ)「4≡(mod5) かつが3の倍数」となるような数を見つけ, 性質5を適用する。
解答
(1) 2 条件から, a-b=mk,c-d=ml (k,lは整数)
と表され
a=b+mk, c=d+ml
よって a-c=(b+mk)-(d+ml)=b-d+m(k-l
ゆえに a-c-(b-d)=m(k-l
5 ax=ay (modm) ならば, ax-ay=mk(kは整数)と表
され
a(x-y)=mk aとは互いに素であるから
x-y=ml (lは整数)
よってx=y (mod m)
(2)(ア) 与式から
x=2-4 (mod 6 )
-24 (mod6) であるから
(イ) 49 (mod5) であるから, 与式は
法5と3は互いに素であるから
2040
よって a-c=b-d (mod m)
x=4 (mod6)
3x=9 (mod 5)
x=3 (mod 5)
の倍数
→ = ▲k(kは整数)
<pg が互いに素でpk
が α の倍数ならば、k
はgの倍数である。
性質2. 移項の要領。
1-2-4-6 (6の倍数)
また, 推移律を利用。
性質5を利用。
検討 合同方程式の問題は表を利用すると確実
(2)(イ)については,次のような表を利用する解答も考えられる。
別解 (イ) x=0, 1 2 3 4 について, 3xの値は右の表
のようになる。 3x=4 (mod5) となるのは, x=3のと
きであるから x=3 (mod5)
注意 合同式の性質5が利用できるのは, 「a と が互いに素」であるときに限られる。
例えば, 4x4 (mod 6 ) ① については, 4 と法6は互いに素ではないから,
① より x≡1(mod6) としたら誤り!
x 0 1 2
4x 0
x 0 1 2 3 4
3x 0 3 6 1 9=4 12=2
表を利用の方針で考えると、 右の表からわか
るようにx=1, 4 (mod6) である。
x = (mod m) または x = (modm) を 「x=a, 6 (modm)」と表す。 ]
a
3
5
4 8=2_12=0_16=4 20=2
4
(1) p.492 基本事項の合同式の性質を証明せよ。
練習
3 121 (2) 次の合同式を満たすx を, それぞれの法mにおいて, x=α (modm) の形で
表せ。 ただし,αはmより小さい自然数とする。
(ア)x-7=6 (mod 7)
(1) 4x=5 (