必修
基礎問
62 薄膜の干渉Ⅱ
図1は波長の単色平行光線が, 空気中か
らガラスの表面をおおう厚さdの薄膜に、入射
角0で入射したとき, 光が反射, 屈折 (屈折角
ゆ) する様子を示している。 空気と薄膜の境界
面上で反射する光はAA'DEの経路
を進み, 薄膜とガラスの境界面上で反射する光
入 A
A'
B
0
D
1
空気
B'
n2 d
薄膜
22
C
n3
ガラス
図 1
はB→B'→C→D→Eの経路を進む。 ここで, AB, A'B' はそれぞれ同
位相の波面である。空気, 薄膜の屈折率をそれぞれ1, 2 とし,n22はガラス
の屈折率 n3 より小さいものとする。
(1) 光が点Cおよび点Dで反射するとき, 光の位相の変化量をそれぞれ答えよ。
(2)2つの反射光の光路差をもたらす部分の経路差をd, Φを用いて表せ。
(3)2つの経路から来た光が点Eで弱め合う条件をd, 0, n2, 入 を用いて表
せ。 ただし,m=0, 1, 2, ... とする。
(4) d=1.00×10-7 [m], n2=1.40 として, 白色光
を垂直に入射させた。 反射光のうち干渉で打ち消
し合う波長を求めることにより, 何色に色づいて
見えるか。 必要ならば、 図2の色相環を用いよ。
図2には円周に沿って [nm] 単位で色光の波長
を示している。 この図において,円の中心に対し
770nm 380nm
640nm 赤紫 430mm
橙
青
590 nm
黄
**
550 nm
490mm
図2 色相環
て向き合っている2つの色光を混合した場合にも, 白色に見える。この
これら2色は互いに補色(余色)であるという。 例えば、 白色光から
色が消えると補色の緑色に見える。
(甲南