いがよ
6 『疑問』の公式
疑問の語尾は連体形
「疑問」形の中心はなんといっても「何」という漢字であるが、生徒がよくこんなふうに質問して
くる。「「何」には五つの用法があって「なんぞ・なにをかいづれかいづれのいづくにか』と
読むと習いましたが、 実際の文章ではどうやって区別すればよいのでしょうか?」
こんなバカバカしい「疑問」に対してはズバリ答えよう。入試レベルの「何」に五用法などない。
なに
「何」が単独で出ていたら「何をか」だけなのだ。本当に一つしかない。なぜか?
それは、そもそも受験に使われるような名文では「何ぞ」を使った単純な「疑問」というのはあ
まりなく、ほとんどがその裏に「反語』の意味を含んだ文章だからだ。したがって「何ぞ」と訓読
する場合は、必ず「何」の下に「不」がついた「何不 (読み)なんぞ~ざる(現代語訳)どうし
て~しないのか。~すればよいのに」という用例になっている。だからこそ「何」だけで「なんぞ」
と読む場合はあまり見かけない。世。
ほとんどの参考書が「疑問」として「何ぞ」を筆頭にあげているが、これはその筆者が試験に出
頼出漢文をきちんと分類・分析したことがないと思ってよい。 「なんぞ」という言い方もないこと
こんど存在せず、 入試には絶対に出題されないし、 出題されても解答の障害
える
こと