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【問題3】
核磁気共鳴(NMR)分光法には, 'H-NMR および 13C-NMR分光法等があり, 有機化合物の化学構造を解
析する上で最も有効な手段である。 下記のプロトン核磁気共鳴 ('H-NMR) スペクトルは,分子式 CH 20
が与えられる化合物のものであるが,本化合物の重クロロホルム中における HH-NMRスペクトルに
基づいた化学構造の解析方法を説明している文章を, (①) から (⑩) に適切な言葉や化学式を入
れて完成しなさい。
本化合物は分子式がC6H120 であることから不足水素指数を求めると, (①) 構造であることが判る。
次に、酸素数が1であることより, (②) 結合や (③) 基 (④) 基と (⑤) 基の存在が推定される。
しかしながら, シングレット (1重線) のシグナルがないことから (③) 基, 約 2.1 ppm 付近にシグ
ナルがないことより (④) 基, および約 10 ppm 付近にシグナルがないことより (⑤) 基の存在は否
定される。 また, 分子式の炭素数が 6 であるのに対して, シグナルは3本しかないことにより, (⑥)
構造をしていることが推定される。さらに, 低磁場側から順にケミカルシフト値が約 3.3 ppm, 約
1.6 ppm, 約 0.9ppmの3本のシグナルのプロトンの積分値は,それぞれ 2: 2:3 であることか
ら,それらの各部分構造はそれぞれ(⑦), (⑧),および (⑨) となる。 4 4 6
よって, それらのプロトンはカップリング (スピン結合) して,それぞれトリプレット (三重線),
セクステット(六重線),およびトリプレット (三重線) であることか ら,本化合物の化学構造は
(⑩) と推定される。
10
9
8
7
6
5
ppm
4
-3
-N
2
1
O