市る
⑤肺の循環と血流
1肺循環
心臓から出た血液の経路は, 全身に送られたのちに心臓に戻ってくる体循環
大循環)と,肺へと流れて心臓に戻ってくる肺循環(小循環)に大きく分けられ
る。肺への血流は,右心室から肺動脈へと拍出される。したがって, 肺動派に
は静脈血が流れており, 肺静脈には肺で酸素化された(酸素を多く含む)動脈血
が流れていることに注意する必要がある。
肺の血流と血圧>右抽撮は 抽出最に等しいが,肺循環抵抗は体循環抵抗の約1/5で
あるため。右心室の発生圧は左心室圧の1/5程度である。 このように肺循環
は比較的低職であるため, 肺血流量は肺動脈圧や肺静脈圧, 肺胞内圧の影響を
受ける。立位や座位では, 心臓蔵より上にある肺上部に行った肺動脈は重力の影
響で内圧が襲下し,心室拡張期には肺胞に押されて閉塞し,血流が途絶する
(>図3-23)。一方, 肺の下部では血管はつねに開口しており血流が多い。肺循
環では,このように肺の部位によって血流量が異なることが特徴である。