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石炭よりも石油の方がエネルギー効率がいいんです。また、石炭は個体ですので箱につめ込んだ様子を考えてもらうと分かるように、石炭と石炭の間にすきまがたくさん空いて決して効率よく保管や輸送ができないという弱みがあります。さらに精製して使用する石油と比べると不純物をたくさん含むので黒い煙が出て大気汚染の原因にもなります。(二酸化炭素排出量も石炭の方が多いですが、地球温暖化問題はエネルギー革命の1960年代にはまだ問題化していませんでしたからこちらは原因にはなりません。)そして当時石油は安かったんです。これらが要因となって、産業や輸送のエネルギーの主体が石炭から石油に転換した。これがエネルギー革命です。
日本国内の貨物輸送の主役が鉄道からトラックに移行したこと、鉄道の主役が蒸気機関車からディーゼル機関車や電気機関車に移行したこともその要素といえます。単に「エネルギー革命」といった時にはこのことを言いますが、イギリスの産業革命期に水力から蒸気エネルギーに移行したことや、近年~現在のように発電方法が化石燃料から自然エネルギーに転換したり、自動車がガソリン車や軽油車の率が下がって電気自動車やハイブリッド車が多くなっていることを指して「第○次エネルギー革命」と表現することもしばしばです。
日本国内の炭鉱が閉山されていった原因はエネルギー革命だけでもありません。資源の枯渇や、そこまで至らなくとも操業年数の長い炭鉱では地中深いところや地盤が緩かったり、地下水が多かったりして危険なところで採掘することになっていますので生産コストが高くなっていたのです。また、戦前のように労働者を馬車馬のようにこき使うこともできなくなりましたので、事故が起こればどれだけお金や手間がかかっても救出しなければなりませんし、ケガや病気になれば労働災害として会社が補償しなければなりません。安全に健康に労働させるだけの環境を整えなければ操業停止になります。経済成長に伴って日本人の平均賃金も上昇し、低賃金のまま放置すればストライキも起こるし労働者が逃げて集まらなくなります。日本の炭鉱はとにかくコストがかかるのに対して、相変わらず賃金水準の安い国、労働者の権利が確立されていない国、埋蔵量が比較にならないほど大きい国から輸入した方が安いという現象が生じていたわけですね。そういうこともエネルギー革命と同時に生じていたから閉山が相次いだわけで、石炭火力発電がいまだ稼働しているのに現在一斉国内採炭していないという現状はエネルギー革命だけで説明できないと思うのです。