磁力線はN極から生じてS極に向かいます。
(中学高校で習う磁石)
とはいえ、磁石の中には
S極→N極へ向かう磁束線が存在します。
なので、どこから発生するかという議論は難しいです。
(磁力線はループを描いているため、はじまりがどこかという話になります)
磁荷の場合は、電荷と違ってN極S極のそれぞれを単独で取り出すことが(おそらく)できないため、正電荷や負電荷のように一点から電気力線が生じているイメージは不適切となります。
【補足】(ややハイレベル)
実のところ、磁石は小さな磁石がたくさんあつまってできています。
(小さな磁石を、磁気双極子といいます)
磁気双極子の正体は、微小な円電流です。
電流が流れると磁場が生じるため、磁石は磁性を示します。
その円電流も、電子が原子核の周りを回ったり、電子そのものがスピンを有していることに起因します。
とはいえ、もし仮にN極だけを取り出すことができたとすれば、磁力線はN極から生じると言うこともできます。(ループしないので)
そのように、N極だけ、もしくはS極だけを取り出したものを、磁気単極子(モノポール)と言いますが、
現時点では発見されていません。
現代の科学技術の基礎となっている電磁気学では、磁気単極子は存在しないことを前提にしています。
(マクスウェル方程式で、div B=0)
ですので、もし仮にそういうモノポールが発見されれば、理論の書き換えが必要となります。
磁気単極子の存在の有無は、経験的におそらく存在しないだろうとのことです。
(存在しないとも断言できない、けれど、電子のスピンに起因するので、N極とS極を分割するという描像そのものが問題であると言うこともできます)