完了形の中でもそれは「結果」という用法になりますね。
パッと思い浮かぶのは
いま目の前のこととは関係のないこと
過去の出来事のエピソードとか
あるいは小説のような作り話でもいいのですが、
目の前の現実とは区別されることで、
例えば
「〜した。〜した。〜した。それで彼はアメリカに行っちゃった。」
とかいうならば
現在完了ではなくて過去完了形を使いますね。
つまり過去形が文章全体の基本的な時制になっている場合ってことです。
過去完了形には「大過去」という用法があるからややこしいんですけど、
それ以外の「完了」「結果」「継続」「経験」の用法に関して言えば
現在完了形と過去完了形は、時制が違うだけで、
完了形にすることで何を表しているか、という
その内容に関しては何も変わりません。
だから質問者さんが引っ掛かっていることというのは、完了形についてというよりは、
現在時制と過去時制で何が違うのか
ということだと思うのです。
そういう視点でもう少し説明を続けます。
完了形であるかどうかの前に
そもそも「過去形をベースにした文体」っていうのが、
目の前の現実とは関係がないこと
を表す効果があります。
日本語でもそうでしょう?
小説は作り話だから過去形をベースにした文体で書かれることが多い。
小説でも「〜する。〜する。」というふうに現在形をベースにすると、過去形ベースよりも臨場感が増しますね(もちろん時制だけで現実とフィクションを錯覚したりはしないけど)。
あるいは例えば、2124年を舞台にした小説を書こうと思ってみてください。未来のことであっても「〜した。〜した。」という過去形の文体が思い浮かぶでしょう?
あるいは普通の小説よりは「〜する。〜する。」という現在形ベースの文体の出番が多いかもしれませんが。
英語でも同じようなもんで、未来が舞台の小説だからといって、willを使いまくったりとかってことはないのです。
紹介した例文は日本語ばっかりで、
実際のところ日本語と英語では違う部分もあるとは思うんですけど、過去時制が持ってる働きっていうのは共通点が多いです。
だから
自分が誰かと会話していて、その中で
彼はアメリカに行っちゃったんだよ
っていう場合は、
目の前で行われてる会話の中でのことだから
He has gone to America.
過去形をベースにした文体の小説とか、
あるいはフィクションじゃなくても
誰かの過去のエピソードを紹介したりするなかで
彼はアメリカに行ってしまった
という場合は、目の前の現実とは違う出来事なので
He had gone to America.
(ただし、現在時制を表現として使う場合もある)
過去完了の「結果」の用法で
He had gone to America.と言うのなら
こういう場合でしか使い道がないと思います。
とてもよくわかりました!わかりやすい解説ありがとうございます🙇🏻♀️