[知識]
417. 光ファイバーの原理 屈折率1.5の
平面ガラス板の上下を, 屈折率 n
(n <1.5)の媒質ではさみ, 左端A,右端
Bの外側は真空とする。 この平面ガラス
の端Aから、入射角 0で光が紙面に平行
に入射した。
屈折率 n
屈折率 1.5
屈折率 n
(1) 光が入射角0で平面ガラス板に入射したときの屈折角を' とする。このとき
sin' を求めよ。
B
(2)(1)の状況で入射した光が上下の境界面で全反射される条件を, 屈折角 0′ を用いて
求めよ。ただし,平面ガラス板の長さはその厚さに比べて十分に大きく,一度も境界
面で全反射せずに端Bに達することはないとする。
(3)(1)と(2)の結果から'を消去し、入射した光が上下の境界面で全反射される条件
は,sin0 がいくらよりも小さいときか求めよ。
(4) 入射角0によらず, 入射した光が上下の境界面で全反射される条件は,nがいくら
よりも小さいときか求めよ。光が端Aで垂直に入射する場合は考えないとする。
■解説 (1) 屈折の法則「
sine
=1.5
sine'
sinė₁
==
sin02
sino
sin'=
1.5
n2=n」から,
ni
(2)図1は,媒質との境界面に, 入射角が臨界角
0c となって光が入射したときのようすである。
このときの屈折角は90° であるから,屈折の法
則「
sinė n2
sin02
sinc
sin90°
-」から,
ni
n
1.5
n
sinc=
1.5
屈折率 n
屈折率 1.5
図 1
屈折率 n
真空の屈折率は1であ
る。 屈折の法則は,
n₁sine₁=n₂sine₂
される。これを用いると,
1× sin0 = 1.5× sin'
となり, 同様に求められ
る。
上下の媒質との境界面
は平行なので,境界面で
一度全反射をすると全
反射を繰り返して端Bに
達する(図3)。
平面ガラスから媒質への光の入射角が,
臨界角よりも大きければ全反射がお
こる。図2から,平面ガラスの端面Aで
の屈折角が 0′ のとき,平面ガラスから
媒質への入射角は90°-8' である。 した
がって,全反射がおこる条件は,次式で
表される。 90° 0'>=90°のとは
-90°-0'
To'
屈折率 1.5
図2
0° から 90°までの角度α, β について,α>βであれば, sina > sinβで
図3
第1章 波動
あることから,
sin(90°0')> sindc=
n
1.5
ここで, sin(90°-8') = cose' なので,条件式は,cos'>
1.5
(3)(1),(2)の結果から0' を消去する。
1=sind+cos'e'> (sing)+(15)
これから,
1.52 > sin2+n2
sin20<1.52-n2
n<1.5から,右辺は正となるので, sin0<√1.5-n
(4) sinは0=90°のときに最大となり,その値は1である。 (3)の結
果から, 1<√1.52-n2 であれば、入射角によらず、入射した光が上
下の境界面で全反射される。 これから,
1<1.5² — n² (n²<1.5²-1=1.25
5 √5 2.23
125
n<√1.25=
=
=
=
100
4
2
=
=1.11
1.1
2
sin (90°-8')のままで
もよいが, cos' で書き
直すと式が簡潔になる。
● 「sin20+cos20=1」 の
公式を利用している。
√1.522 が1よりも
大きければ,入射角 0の
値に関係なく, (3) の結
果の不等式を常に満たし、
全反射がおこる。
−1 ≦ sinθ ≦ 1 ですね...