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ポイントは2つあるんですが、どちらもけっこう難しいです。

まず1つが、
how easy his victory had been(形容詞+名詞 型)
↕︎
how easily he had won the victory(動詞+副詞 型)

こういう書き換えを考えるといいです。

同じような内容を言うときに
動詞とそれを修飾する副詞に、主なメッセージを乗せる形
名詞とそれを修飾する形容詞に、主なメッセージを乗せる形
という2種類があるということです。

たとえば
①He knows Japanese anime very much
knowが動詞・very muchが副詞
↕︎
②his very much knowledge of/about Japanese anime
knowledgeが名詞
very muchはそれを修飾する形容詞
(much はこの形のまま副詞にも形容詞でも使う)

③she is a good speaker of English
形容詞+名詞 型
↕︎
④she speaks English well
動詞+副詞 型

もちろん、①②も③④も、日本語に正確に訳したら全く同じにはならないですよ?
けれど、言い方が違うだけのことで、与えてくれる情報の内容は同じですよね。
だから、例えば
形容詞+名詞 型の文があって、どうも意味がわからないなーと思ったら、
動詞+副詞 型に直してみて、その意味を参考にすれば良いということです。
今回もそうした方がいいと思う。

得てして、形容詞+名詞 の型はそのままでは日本語としてイイ感じにならないことがよくあります。

ちなみに、英単語とかをやりこんでて
knowledge = 知識 とかって覚えたことを信じこみすぎてる人がたまにいます。もちろん誤りではないのですが。
knowledge はknowから派生した名詞なので
「知っている(という)こと」「知っているもの」
と訳して良いのです。
今回の②の場合は「知っている(という)こと」ですね。
「知識」というと、何かを知っている内容そのもの
というイメージがあるけど、それは
「知っている もの」ということです。

今回の文に戻ると
how easy his victory had beenは
his easy victory ということだから
形容詞+名詞 の型です。

これを動詞+副詞 の
how easily he had won the victory
に直す。
ここで細かいテクニックがあって
victoryという名詞は、それに対応する動詞がないんです。
knowledge→know
speaker→speak
みたいに、わかりやすく直せない。
こういうこともよくあります。
そこで 
勝利→勝利する って直ってればいいって考えて
victory→win the victory としています。

ここまでが1つめのポイント。
長いので一度区切ります

ののののの

2つ目のポイントは、こうです。
過去形と過去完了形が1文のなかで使われていると、
過去完了が大過去を表す、
と何でもかんでも考えちゃいがちなんです。
でも実際には、過去完了には「大過去」のほかに「完了」「経験」「継続」「結果」という用法があって、
この5つの用法はそれぞれ独立しています。
つまり、「大過去」と「完了」とか、「継続」と「経験」とかを1つの表現が同時に表すことはないんです。

だから、過去形と過去完了形の組み合わせでも、
過去完了が「大過去」以外の意味になることもあって、
そのときは「大過去」の意味はないんですね。
今回の場合もそうで
①As he crossed the line〜(過去)
②the marathon runner couldn't believe(過去)
③how easily he had won the victory(過去完了)
(動詞+副詞 に直した形で書きますが)
というふうに
3カ所に時制のある表現が出てきますが
この③は「大過去」ではないんですよ。
だって、
①彼がゴールラインを超えたそのときに
③勝利した 
わけなんだから。ここに時制のズレはないでしょう。
だから
①②③はいずれも同じ過去の時制を表しているんです。

じゃあ③の過去完了形はなんの用法かというと
「完了」でいいと思います。

完了形の「完了」の用法というのは
ある一つの動作とか行為を
動作が始まって→動作が行われて→動作が終わる
というふうに分けて考えたときに
最後の部分に焦点を当てる用法です。
ただ、
動作が終わるということは、そこまでにいろんなことが散々行われているということでもあるので、
そこに至る過程が背景にある
ということを示すためにも使われるんです。

もし過去形で
how easily he won the victoryと書くと
As he crossed the lineと全く同じ時制だから
要はラインを超えたそのときに「勝つ」ということになる。
もちろん「勝ち という結果が確定する」という点では
それでも間違ってないんだけど、

でも、こう考えてください。
実際レースしてる選手からすると、
ゴールテープを切る前に、いろんな駆け引きとか競り合いとかあって、最終的に他の選手を出し抜いて、
ゴールテープを切る瞬間を迎えるわけじゃないですか。

そういう「勝つ」瞬間までの背景にある過程に全く目を向けないで「勝つ」って言ってる
過去形でwon the victoryと書くと
そういうことになるんです。

完了形って、
現在完了は過去から現在、
過去完了は大過去から過去の一点まで
みたいなイメージがありますよね。

それは間違ってないのですが、
だからと言って、
あらゆる過去完了に大過去の意味があるわけじゃないし
かと言って、じゃあ
大過去以外の4つの用法が、過去との関係が全くないかというと、そうでもないんです。

大過去以外の4つの用法は
時制としては(大過去ではない)「過去」なんだけども
過去形よりも、そこに至る背景とか過程にも目を向けている
っていう感じなんです。

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