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これは、thinkとか believeなどの「思う」系の動詞に共通する語法で、sayもこれに準じるところがあるのですが、sayはちょっとだけ特殊なのです。

まず、説明しやすいthinkで仕組みを説明します。
長いので、ご自分でも書いてみながら
ゆっくり考えてみてください。

①They think that SV
この文はtheyが主語・thinkが動詞・that SVのまとまりが目的語ですね。

これを受動態にするとどうなりますか?
受動態は、目的語を主語の位置に持ってきて、全体の意味が変わらないように動詞の「する/される」を書き換えた文です。
He loves her ↔︎ She is love by him
①の文も同じように考えると次の②の文になります。

② It is thought that SV
①を受動態にすると、先に書いた説明では
That SV is thought by them
となりますが、
普通that節は主語にしないで、形式主語のItをおきます。
そして、by themは書かなくても良いので省略しています。

つぎに、①の文は同じ能動態のままで
③They think S to V
と書けるのはわかりますか?
これはtheyが主語・thinkが動詞で
Sが目的語(ややこしいですが)・to Vが補語になっています。
つまり第五文型の文です。
①は主語・動詞・目的語の第三文型の文。
これを第五文型に書き換えたのが③の文です。

that節の主語Sを、that節の外に出してきてthinkの目的語にしてやる。
そうすると、
that節の中の動詞Vは、主語がなくなっちゃったから
主語がなくても文法的におかしくない、to不定詞の形で書くことになる。
というようなイメージで頭に入れておくといいです。

では次に、①→②と同じように、③の文を受動態にしてみましょう。すると、
④ S is thought to V (by them)
というふうになります。

次に、②と④の関係はどうでしょうか

② It is thought that SV
④S is thought to V

②のthat節の主語Sを、that節の外に出してやったのが
④なのですが、
④はSが目的語ではなくて、主語に来ていますね。
これはなぜかというと、②も④も受動態だからなのです。
受動態は、目的語を主語の位置に動かした文だから、
そもそも能動態のときに目的語を1つだけしか取らない動詞は、受動態にすると目的語がなくなるはずです。

②も④も受動態の文だから、
that節の主語Sをthat節の外に出す操作をしたとしても
そのSをis thought の後ろ(目的語の位置)には置けないんです。

一回長いので切ります。

ののののの

①They think that SV
②It is thought that SV
③They think S to V
④S is thought to V

この4つの文の関係はこうです
①⇄②
⇅ ⇅
③⇄④

横方向の矢印⇄は、能動態と受動態を入れ替える操作を指しています。
①③が能動態・②④が受動態
能動態の目的語を主語の位置に持ってきて、
動詞部分をbe動詞+過去分詞にする

縦方向の⇅は、that節内の主語Sをthat節の外に出す操作を指しています。
①は能動態なので、thinkの目的語の位置に
②は受動態で目的語は置けないので、文の主語の位置に

「思う」系の動詞は、こういう文構造の特徴があって
sayもこれに準じるのですが、
実はsayは、「目的語にはthat節しか取らない」という決まりがあるのです。
つまり①の形は取れるけど、③の形は取れないのです。

だから、①のthat節の主語Sを、that節の外に出そうとすると、必然的に④の受動態の形をとることになるんですね。
黄色いマーカー部分の前の
「本問はthat節の主語that old manを文全体の主語にした場合の受動態」というのはそういうことです。

次に黄色い部分の説明ですが
例えば
①They believe that she is aliveは
③They believe her to be aliveに
書き換えられますね。

①They believed that she was aliveは
③They believed her to be aliveに
書き換えられます。
to不定詞がやっかいなのは「時制を表せない」ことです。でも、文の中では、to不定詞の他に、文全体の時制を決める動詞があるはずです。この例文ではbelievedが過去形ですよね。
普通は、to不定詞がある場合、
それが現在のことなのか、過去のことなのか、
つまり「to不定詞の時制」は文全体の基準になる動詞に合わせます。
この例文ではbelievedが過去形だから、to be aliveも過去のことだとわかる。

ところが次の場合が問題です。
①They believe that she was alive
この場合だと、文全体の時制を決めるbelieveは現在なのに、that節の部分はwasだから過去なのです。
2つの部分の時制がずれている。
これをto不定詞を使って書き換えるときは
質問者さんの画像にもあるように
③They believe her to have been alive
と書き換えます。
完了不定詞 to have 過去分詞 の基本的な使い方です。

ののののの

まとめると
①They say that SV
②It is said that SV
③They say S to V (文法的にダメ)
④S is said to V

①②で、
sayが現在形で、that節の中のVが過去形の場合

これをthat節を使わずに書くと
③④のうち、
sayはthat節以外は目的語を取れないので③はダメ
必然的に④の受動態の形になります。
そして時制差を表すために完了不定詞を使います。

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