第1章 社会を作る私
Seminar
〉〉〉自ずから
古代の人々は自然の働き
に素朴な驚きと畏怖の念を
もち, 自然をおのずから
(自ずから) しかる (然る) ペ
きものとしてあると受け入
れた。 (一瞬p.192)
>>> 儒教
仁(人間愛) とこれが表面に
あらわれた礼を重視する教
えで, 中国の孔子(前551
ごろ~前479) を祖とする。
※仁の根本にあるのが孝悌
(父母に孝行し, 兄や年長
者に従順であること)であ
り,これが他人へと向かう
と, 克己 (利己心を抑える
こと), 忠(自分を偽らない
真心), 恕(他人への思いや
り),信(人を欺かないこ
と) という心のあり方とな
る。 (→ p.193)
>> 福沢は, 天賦人権の考
えを 「天は人の上に人を造
ず, 人の下に人を造らず
云へり」 (「学問のすゝめ」
り)といった言葉で言い
らわしている。 (→圏
■ | 第1編 公共の扉
日本の伝統文化と私たち
] 儀礼として [⑤
教科書
日本人と自然
【カミ (神)の特徴】
不可思議な力をもち, 畏怖の念を起こさせる存在= [①
・ただ一人の人格神ではなく, 無数の神々・・・(②
・神話 ( ③
1
]]に見られる神々・・・ 「うむ」 神々, 「なる」 神々
※「自ずから」という自然観と対応
[①] (精霊)は自然のあらゆるものに宿るとされた
→アニミズムという信仰
日本人にとっての [①]... 自然を通して豊かな恵みをもたらす存在,一方で
病や天災など災厄をもたらす存在
]が成立
・自然に対する素朴な驚きと畏怖の念
→自然と対立することなく, 親しみをもちながら共存
※日本人の宗教観や道徳観, 世界観の基礎に
日本人が重視してきた倫理観
【伝統的な倫理観】
・カミや人に対して嘘偽りがなく、飾らず, 明朗で曇りのない心
1
p.18-19
〕」と主張
]
※のちの正直や誠という道徳観の源に
【儒学と国学 】
・江戸時代… 社会秩序を支える道徳として儒学 (儒教の学問) を重視
伊藤仁斎・・・江戸時代前期の儒学者
仁愛を最重要視し, 仁愛の根底に自他に対して私心のない純粋な心のありよ
うである [⑦
]を置く
【近代化 (西洋化) と個人 (近代的自我)の出現】
夏目漱石
→日常生活における [⑧
の実践となってあらわれる
江戸時代中期・・・ 日本の古典に基づき日本古来の純粋な考え方を見出そうとす
る [⑨
]の運動が起こる
・ 本居宣長・・・ 日本古来の [ ⑩
解することを批判
人間のあるべき姿は, ものに当たるときに自然とわき上がってくる, ありの
ままの感情 ( [ ①
[]) につくこと
日本の近代化と個のとらえ直し
【西洋文化思想の受容】
・福沢諭吉
・・・・明治期の啓蒙思想家, 封建制度を支えた儒教道徳を批判
(12)
論を主張
独立自尊の精神をもつことの重要性
→[[13
]の道を説き, 人間性を道理によって理
・・・日本の近代化は [⑩
あると説く
→日本人は自己の確立が遅れていると批判
独特の個人主義・利己主義 (エゴイズム)ではなく, [⑩6
生きる
]を欠いた [15
で
和辻哲郎... 人間は [⑦7
1
→人間はただ孤立した個人としてあるのではなく、 人と人との関係 (つなが
り)のなかにおいてある
に
正誤問題
次の文が正しい場合には○、誤っている場合には×を[]に記入しなさい。
1. カミ (精霊)は山や川、草や木, 鳥獣や人間など自然のあらゆるものに宿ると考えられてきた。
[①
[②
[③
2. 江戸時代前期の儒学者伊藤仁斎は、中国の学派の解釈を取り入れ、 儒学の発展に努めた。
[⑤
Work 孔子の仁について,次の空欄に当てはまる語句を答えなさい。
]
父母に孝行し、 兄や年長者に従順であること
] 利己心を抑えること
] 自分を偽らない真心
1] 他人への思いやり
] 人を欺かないこと
②2 日本の伝統的な文化や思想に関する記述として最も適当なものを,次の ① ~ ④ のうちから一つ選びな
さい。
① 古代の日本において尊ばれた, 人に対して嘘偽りがなく、飾らない心のありようを漢意という。
② 古代の日本において見られた, 自然のあらゆるものにカミ (精霊) が宿るとする信仰を、神仏習合と
いう。
③ 伊藤仁斎は,中国の学派による儒学の解釈をもとに, 「誠」 を論じた。
④ 本居宣長は,人間のあるべき姿とは, ものにふれるときに自然とわき上がる, 「もののあはれ」を知
ることだと主張した。
<センター試験現代社会2018年本試を改変)
|Check! 教科書 p.19 「間柄的存在」 和辻によれば, 人間はどのような存在なのだろうか。 次の文章
の空欄に当てはまる語句を記入しなさい。
人間とは [ア
[ ]であるとともにその [ア] における[イ
想に言われるように,人間は単なる孤立した [ウ
[エ
なのである。
である。つまり, 西洋の思
としてあるのではなく, また単なる
でもない。 人間は, [ウ] と[エ] の弁証法的統一であるところの [オ
第1章 社会を作る私たち 11