物理
高校生

(エ)で「転倒し始める時はT'=0、あるいはN'=0」とあってT'=0としてるんですけど(カ)のT''って0じゃないのですか?

(出典:難問題の系統とその解き方)

例題1 剛体のつりあい ① 次の文中の ] に適する数値(負でない整数) をそれぞれ記入せよ。 図のように、直方体の一様な物体Aが, 水平と45°の傾斜をもつ地盤Bの上に、質 量の無視できるロープCによって取りつ けられた構造物がある。物体Aと地盤B とは、接触しているだけである。 物体Aの質量:m=1.0×10° 〔kg〕, 重力 加速度の大きさ:g=10[m/s²], 物体Aと地盤Bとの間の静止摩擦係 数および動摩擦係数:μ=1/3, 2の値:1.4とし,ロープCは十分強く, 伸び縮みしないものとする。 (1) 静止しているとき, ロープCの張力は (ア)[ 盤Bが物体Aに作用する抗力の大きさは (イ) × 10°Nであり、地 × 10°Nである。 (2) 地震によって,次第に強くなる上下動(鉛直方向の動き)が起こ り,ある加速度が物体Aにはたらいたら,物体Aが転倒(物体Aが 地盤Bに対して,すべり・離れなどの動きを起こし、回転して倒れ る状態)を起こし始めた。 その加速度の大きさは (ウ) m/s' であ り,ロープCの張力は (エ)[ × 10°Nである。 (3) 地震によって、次第に強くなる水平動が起こり、ある加速度が 物体Aにはたらいたら, 物体Aが転倒 ((2)参照)を起こし始めた。 その加速度の大きさは (オ) m/s' であり, ロープCの張力は (カ) ×10°Nである。 〔東京理科大・改] 考え方の キホン y A hor 4m 45° + 2m. C B 力学において最も重要なことは、力を正しく見つけることである。 そして力がわかれば,それらを互いに垂直な方向に分解し、力のつ りあいの式を2つつくる。次に,適当な点のまわりの力のモーメントのつりあい この式をつくる。 あとは, 以上の3つの連立方程式を解くだけである。なお, 静止 摩擦力はつねに最大静止摩擦力が働いているとは限らないので, はじめからその 値をμN とおいてはいけない。 まず, 未知数として文字で表し (例えばF), つ りあいの式を解いて F の値を求めてから, FUN の条件を課せばよい。 また, 力のモーメントのつりあいの式は, 任意の点のまわりのモーメントで考えてよい が,なるべく計算が簡単になるような点を選べばよい。 すなわち、ある力の作用 線上の点を ントになるので計算が楽である。 水平面 カ学 2 3 波動
Chapter 1 力学 Section 1 力と運動 18 1 I I 1 1 1 1 I I 1 解答 (ア) 求める張力をT, 地盤B から受ける垂直抗力をN, 静止摩擦力をF とすると, 物体Aが受ける力は次のようになる。 力のつりあいの式は、 水平:T+Fcos 45°-N sin 45°= 0 鉛直:Fsin45° + N cos 45°-mg = 0 また、右図のP点のまわりの力のモーメントのつりあいの式は 3 mgx2-Tx2 = 0 ............ ③より, T=mg=10×10°〔N〕 (イ) 一般に,垂直抗力と摩擦力の合力を抗力 という。よって、その大きさをRとすると, mg R=√N°+F°である。①~③より普通に計算 N =√2mg=14×10, F=0 よって物体Aに働く力のつりあいの式は ① ************ (2) A (G), 転倒し始めるときは, T' = 0 あるいは, N' = 0 である。 a=g=10(m/s²) ④~⑥より T" = (Q) =(2g+B), N :: R= √N² +F²=N=14×10³(N) (ウ) 鉛直下向きに大きさαの加速度とすると,地盤Bから見て、物体A の重心Gに鉛直向きの慣性力maが働くので、見かけの重力加速度を g'とすると,mg' = mg - ma だから, g' = g-αとなる。 したがって、 (1) で のかわりに g'として T' = mg' =m(g-α), N' =√2mg'=√2m (g-α), N"= 45° √2m 4 R (エ) (ウ)より, T'=0×10°〔N〕 〔注〕 鉛直上向きの加速度なら, T'やN'は0になることはない。 -(4g-β), B (オ)例えば,水平右向きの加速度をβとすると, G には水平左向きの慣性 カmβが働く。 水平:T" + F" cos 45°N" sin 45°-mβ=0 鉛直: F" sin45°+N"cos 45°-mg = 0 また、P点のまわりの力のモーメントのつりあいの式は, mg×2+mβ×1-T" ×2=0 (P) T F' = 0 p" = √2 mp F" 4 (カ)T"= T"=0より、B=2g N"=0より、B=4g さらに, F" μN"より、 √2mB 1 √2m X 4 4 3 ⑦~⑨より、 MEMO mg-mo 1.0×10³ 2 mg 解説 “平行でない3つの力が働いて剛体がつりあうとき, その3つの力の作用線は 必ず1点で交わる” という定理がある。 このことを前ページの図に即して説明 しておく。 すなわち, mg と T′の作用線はQ点で交わる。 したがって, Q点の まわりの力のモーメントの和が0であるためには, Q点のまわりのRのモー メントも0でなければならない。 よって, Rの作用線もQ点を通ることがわかる。 Rの作用線がQ点を通るためには, R = N, F = 0でなければならない。 なお,(ウ)で用いたように,重力と慣性力との合力を見かけの重力 mg'と置 く発想は,物理的に有効な発想であり、以後たびたび登場するであろう。 mo -(4g-B) B>g=10(m/s'] 450 .B>g=10 8 x (2×10+10)=15×10°〔N〕 ① N 450 NXO=0 距離が F=0 なので実質Nの作用系泉が Qを通る。 1-1 力と運動 カ学 19
物理 力学

回答

まだ回答がありません。

疑問は解決しましたか?