世界史
高校生
解決済み

マルクスの言った「唯物史観」。階級闘争を経て革命が起きる、という点以外では歴史を見る上でしっくりくる考え方なんですが、どうなんでしょうか。
それとも唯物史観を見る時に、階級闘争を排除して考えること自体間違っていますか?

回答

✨ ベストアンサー ✨

階級闘争というのは、マルクス主義的に言えば、生産手段を持つ者と持たざる者の争いのことです。そして、生産手段の在り方(生産様式・経済構造)という経済的な要素の動きが歴史においては絶対的に重要であり、政治、宗教、芸術文化といった要素はあくまでその上に成り立っているにすぎないと考えます。

つまり、唯物史観に基づけば、生産手段の在り方が同じ国・地域であれば、その政治体制や宗教・芸術などの文化のあり様はおおよそ似たようになるということになります。しかし、現実にはそうなっているでしょうか? 多くの唯物史観批判者は、このような文脈で唯物史観を批判します。
例えば、マックス=ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』では、資本主義の発展と工業化(生産手段)はプロテスタントの教義(宗教)から生じたと説明しており、これは生産手段の在り方が宗教の在り方を規定するとする唯物史観とは全く逆のアプローチです。あるいはマルクスに強い影響を与えたと言われるヘーゲルは、人類の自由を求めようという精神が歴史を動かしてきたと説明しており、これも唯物史観とは真逆です。

私は、生産手段が誰のもので、どんな方法で生産が行われるか、生産手段を巡る階級闘争の構造はどう変化したかという視座は確かに歴史を考える上で大切なことだとは思いますが、これを絶対視するのは明らかに間違っていると思います。

しゅう

ありがとうございます。これをみてもう一度考えました。
資本主義以前の中世封建制くらいまでの生産様式でしか考えていませんでした。マルクスが19世紀の植民地時代・帝国時代を予想していなかったからこそできた考え方だと思いました。
また、ヘーゲルの世界精神の例で納得しました。下部構造→上部構造だけで考えていたので理性の支配を無視していました。

頭に浮かんだ言葉をつらつら書いたので伝わらないかと思いますが、ありがとうございました。思ったよりも有意義な回答がいただけて幸せです。

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