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一応、制限用法であれば
多くの人が美術館に、有名な芸術家によって描かれたその絵を見に来た。
とするのが定番の訳出の仕方になります。
制限用法と非制限用法の英文の意味は明確に違っていて
制限用法の場合は、名詞の内容を文字通り制限する役割があります。
多くの人が美術館に、有名な芸術家によって描かれたその絵を見に来た。
という文は
[例えば絵を勉強中の学生とかアマチュアのおじさんとかではなくて]有名な芸術家の描いた絵
という風に名詞の範囲を絞っているということです。
ある展覧会に美大生もアマチュアのおじさんも有名な芸術家も出展していて、その展覧会に多くの人が訪れた。多くの人の目的は他でもなく有名な芸術家の絵を見ることだった
という状況を想像すればよいです。
非制限用法の場合は、このようなことはありません。
多くの人がある絵を見に来た。
その絵は有名な芸術家によって書かれたものだ
というのを
関係詞を使って、2文ではなく1文に繋いでいるだけです。
長いので切ります。
コメント追記します。
とっても分かりやすかったです!ありがとうございます!!
画像の文は関係詞の非制限用法の訳の定番ではあるので、とりあえずこのタイプの訳を見たら非制限用法で書く、というクセ付けが大事かなと思います。
しかし、おそらく質問者さんは気付いていると思うのですが、この訳は取りようによっては制限用法でも良さげに見えるのです。
①多くの人がその絵を見に来た
②その絵は有名な芸術家によって描かれた
言葉が適切かわからないですが
②を、①の「その絵」の条件のように読み取ってしまって(つまり、他の人が描いた絵は「その絵」ではない)という風に余計な思考を巡らせてしまうと
「多くの人が、[他の誰でもなく]有名な芸術家によって書かれた絵を見に来た」
という風に制限用法の文を書きたくなってしまうんですよね。
非制限用法は
A lot of people came to the museum to see the picture.
It was painted by a famous artist.
という2文をそのまま1文にしているだけです。
そしてこの2文以外の情報は何も述べていないのです。
制限用法の場合は、
「有名な芸術家によって書かれた[ほうの]絵」という含みを持ち得ます。
ということは、有名な芸術家が描いた絵以外にもいくつかの絵があることが前提になっていて、はっきり言わなくてもそう読み取れるのです。
非制限用法の場合はそのような言外の情報は一切ないのです。
ただ、このような訳を日本語に完全に表すのは難しいことで、定番になっている訳し方が完璧だとも思えません。別の言語だから当然のことだと思います。
関係詞の学習の順序として、制限用法を最初に習って、非制限用法はそのバリエーションとして習うのが一般的だと思いますが、表現の上では制限用法の方が少し特殊な、含みを持った表現になります。
定番の日本語訳に条件反射的に従うことと、訳の日本語や文脈を一応検討して、どうしても制限用法じゃないとおかしい場合以外は非制限用法を使うよう意識するのがいいと思います。