28日前の質問に答えるのもアレですが、何も回答がついていなかったのでお答えします。よければ見てやってください。
簡潔に言えば、どちらも列強がバックについていたからです。リベリアのバックにはアメリカ、エチオピアのバックにはフランスがいました。
リベリアはアメリカの解放奴隷たちが作った国です。リンカーン大統領が奴隷解放宣言を出す以前のアメリカで、奴隷制度はキリスト教の教義に反するという理由で、熱心なキリスト教徒が黒人奴隷を買い取り、故郷であるアメリカに帰してやることにしたのですが、出身地なんてわかりっこないのでアフリカ西海岸の一部に解放奴隷の国を作りました。これがリベリアです。「自由な国」という意味の国名ですね。
そんなわけでリベリアは建国以来、アメリカとの関係が強く、首都モンロビアの名前の由来もアメリカ大統領モンローにあやかったものです。
一方、フランスがエチオピアを支援したのはもっとドライな理由で、イタリアの植民地拡大を防ぎたかったためです。19世紀後半のイタリアはエリトリアやソマリランドを拠点としてエチオピアの植民地化を狙っていたのですが、フランスはイタリアとチュニジア問題で対立していたのに加え、イタリアがエチオピアを植民地化することは、アフリカ横断政策を掲げるフランスの利害と衝突します。ですからフランスはあくまで地政学的な理由でエチオピアを支援し、フランスの近代装備を携えたエチオピア軍はアドワの戦いでイタリア軍を破りました。結果、エチオピアは独立を保つことができたのです。一方、初めて有色人種に負けた列強という汚名がついたイタリアのプライドは傷つけられ、ムッソリーニが第二次世界大戦前にエチオピアを再び植民地化しようとする精神的動機となりました。
