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その二つの使役は、本来は根本的に異なるものです。
教科書やそこらの参考書では違いをはっきり説明しないと思いますが。
(1) 使役の動詞
(2) 自動詞の他動詞化
(1) 使役の動詞
「使」が使役動詞ですね。
この文は二重のSV構造になってます。
(省略されたS)「使[V]」「使如魏[O]」
と、「使(使者)[S']」「如[V']」「魏[O']」
「(S)は【使者が魏に行く[O]】という状況を【作った、させた[V]】
このように使役の動詞を使い、使役の対象が明確な場合「AをしてVしむ」とします。
※補足
「命」など文意上、本来の動詞の意味が濃い使役動詞では「〜に命じてVしむ」として、「命」を「しむ」とは読まずに最後の送り仮名で書きます。
「教」「遣」は普通に「しむ」と読む時と、読まずに「〜に教へて〜しむ」「〜を遣はして〜しむ」と最後の送り仮名で表す時が両方あります。
(2) 自動詞の他動詞化
日本語(文語文)で「飲む」は自動詞で「飲ませる」という他動詞の意味はありません。
しかし漢文では他動詞として「飲」が使われることがあります。
「死」などもそうで、日本語では「死ぬ」の自動詞だけですが漢文では「死なせる、殺す」と他動詞があります。
このズレを直すため、訓読する際に送り仮名に「しむ」をつけて使役の形にしているのです。
この場合は「AをしてVしむ」とはしません。
「〜に飲ましむ」「〜を死せしむ」などと普通の動詞と同じように読んで、最後に「しむ」をつけるだけです。
「公[S] 飲[V] 之[O] 酒[O]」
このふたつは根本的に違うものだったのですね!とても分かりやすかったです。ありがとうございますm(*_ _)m