芸術・作品
高校生

オペラがイタリアからどのように広まっていったか、歴史を教えていただきたいです‼︎

回答

先ず、音楽と演劇を組み合わせることは古代から行われてきました。特に、ギリシア悲劇では合唱等が用いられたと言われています。

イタリアが主に関連する17世紀前後に限定して書きますと、16世紀末に、フィレンツェの貴族を中心としたカメラータと呼ばれる組織が古代のギリシアの悲劇を再興しようとしました。ルネサンスの影響もあったかもしれません。彼らは古典を研究する中で、演劇において音楽が重要であり、そしてルネサンス的なポリフォニーのマドリガーレ様式があまり演劇の表現には向かないことに気付きました。そこで、彼らはラップレンゼンタティーヴォ様式という歌唱様式を創始します。これが初期のオペラの基礎であるとともに、バロック時代の始まりです。

そうして、オペラがだんだんと広まっていった中で17世紀後半に、より発展を加えていったのがローマのクラウディオ・モンテヴェルディです。1630年代以降のローマでは頻繁にオペラが上演されるようになりますが、フィレンツェに比べてギリシア神話などよりも宗教的な題材をとりあげることが多く、そしてオペラの幕間にはインテルメッゾという演目が追加されたことも特徴で、これがコミック・オペラの原型を形づくりました。

17世紀半ば頃には、1637年にヴェネツィアに歴史上最初の公開オペラ劇場であるサン・カッシアーノ劇場がつくられました。序曲の原型となる器楽の導入曲が追加され、よりアリアや、ベル・カントといった歌唱を重視するようになり、合唱やオーケストラは控えめになったそうです。また、ストーリーがより技巧的となり、舞台装置も大掛かりなものが用いられるようになったことも特徴です。

17世紀後半から、ナポリにおいて多くのオペラ作曲家が登場します。オペラは広まるなかで、類型が形成されたために歌手の技巧を期待されたため、たとえば男性のソプラノ歌手が俗に言うスターとして歌唱力を誇示することもあったそうです。しかしながら、その類型性は後の古典派のシンフォニーの発端となりました。

ここまでの話をまとめますと、イタリアではおおよそ17世紀に時代順にフィレンツェ→ローマ→ヴェネツィア→ナポリの順番でオペラは発展していきました。無論オペラの広まり方はこの限りではありませんが、だいたいこんな感じです。

17世紀後半以降では、オペラはフランスにも広まります。そして、フランスの独自の伝統文化であるコルネイユ、モリエールといった演劇の文化と宮廷バレーの文化の影響を受けて、比較的舞曲的かつ明瞭な旋律をもつレチタティーヴォを多用したものとなりました。これらはバロックの器楽形式を形づくることになります。

一方イギリスでは、独自にオペラが発展するということはありませんでしたが、ロンドンではイタリア・オペラが上演されていたり、マスクという宮廷用の娯楽演劇が流行ったりなど、親しまれてはいたようです。

最後に、バロック時代のドイツですが、ちょうど30年戦争の時期に差し掛かり、文化活動が行われていなかったため、古典派の時代に広まります。
古典派からロマン主義の時代にかけては、宗教音楽の影響によるオペラ改革が行われたりします。ドイツの有名な作曲家、例えばハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどはこの時代の人物です。

音楽史も立派な学問ですから、ぜひ色々興味を持って調べてみてください。

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