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解説を作りました。
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添付の図を見てください。風がぶつかり合うことを「収束」といい、風が違う方向に分かれることを「発散」といいます。低気圧の場合は、中心に向かって風が反時計回りの渦を巻きながら集まって来るので「収束」が起きるのです。また、前線付近で上昇流が強くなるような場所にも特徴的な「収束」が見られることが多いです。大雨には強い上昇流があり、強い上昇流は風の収束を伴って発生するので、大雨の原因を解析する場合、気象予報士や予報官たちは必ず「風の収束」を考えます。それくらい大事なのです。
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台風は基本的に近くの強い風に乗って進み、気圧の谷や高気圧から流れる気流や偏西風に流されます。7月から8月にかけて小笠原気団(太平洋高気圧)の勢力が強い時は、高気圧が日本列島を覆うような気圧配置になることが多いので、高気圧の縁を廻る様な進路を取り、図2のイメージのような進路を取ることが多くなります(台風の上陸は鹿児島などの九州方面が危険)。次第に小笠原気団(太平洋高気圧)の勢力が落ちる9月~10月になると、台風は高気圧の縁を縫って図2のような進路に変わります(台風の上陸は東海地方、関東地方で危険度が高くなります)。
11月~12月の台風の進路に影響するのは、大陸から強い寒気を伴い卓越するシベリア高気圧と考えられます。冬季日本付近は大陸からシベリア高気圧が張り出し、いわゆる「西高東低」の気圧配置となり、日本列島は北寄りの強い風にさらされます。これにより台風は日本付近まで北上するのを阻まれることになり、比較的海面水温の高い東南アジア方面を西寄りに進むような進路を取ることになるのです。
⑷補足。
台風は移動するためのエネルギーを持っているわけではなく、近くに強い気流がなければほとんど停滞するか、北〜北西方向にのろのろと移動します。台風が北寄りに進む動きはベータ効果と呼ばれる台風の北側と南側の風速差による回転が関係しているとされており、以下のリンクにその解説があります。
https://harenote.com/typhoon-bend-reason
台風自身が北寄りに進むとすれば、シベリア高気圧が日本列島を覆う冬季は北寄りの風が強くなるので、11月から12月にかけて台風は日本付近まで北上する事はほとんどなく、シベリア高気圧からの冷たい空気を避ける様にして東南アジア方面を迂回する様な進路になるのです。