思考学習 アユの縄張り
図は,ある河川で個体群密度の
異なる年の群れアユと縄張りアユ
の割合と体長の分布を示している。
考察 1.0.9匹/m² の年に, 縄張
密度
0.3匹/m²
62%
0.9匹/m²
55%
5.5匹/m²
95%
群れアユ
りを形成できるアユの体長には
どのような傾向が見られるか説
明せよ。
体長 (cm) 5 15 25 35 5
15 25 35 5 15 25 35
考察 2.5.5匹/m² の年に,縄張
りを形成するアユの割合が他の
縄張りアユ
38%
45%
5%
図Ⅰ 個体群密度による群れと縄張りの割合の違い
年と比べて著しく少ないのはなぜか。
考察 3.0.3匹/m² の年と0.9匹/m²の年を比較すると,0.3匹/m²の年のほうが縄張り
アユの割合は少なく,群れアユの体長が大きいことがわかる。 その理由を考察せよ。
例えば,食物の場合, ある個体がもつ縄張りの中に膨大な量の食物があったとしても、その個体が食べら
れる食物の量には限度がある。 このように, 縄張り内の資源から個体が得られる利益は,資源の増加に伴っ
て増え続けるのではなく, しだいに頭打ちになっていく。
334 第5編 生態と環境