生物基礎
B 遺伝子の本体は DNAである。 遺伝子はタンパク質のアミノ酸配列を保持し
(d):
アミノ酸の種類よりコドンの数が多いため、いくつかのコドンは同
ており.
(e).
じアミノ酸を指定している。
DNAの非鋳型鎖の TCG と TCA, AGC, AGT は転写されると mRNAのコ
ドンとしてどれもセリンを指定する。 ある研究で、DNAを人工的に合成した
DNA に置き換えた大腸菌(合成細菌)が作製された。この合成細菌において
DNA を人工的に合成する際に, 全ての遺伝子の非鋳型鎖のTCG と TCA を
AGC と AGT になるよう塩基を置き換えた。さらに,この合成細菌を改良して
非鋳型鎖の TCG と TCA を転写したmRNAのコドンに対応する tRNA を取り
除いた。
この改良された合成細菌にウイルスの遺伝子を注入した。 なお,この
(f)
ウイルスは遺伝情報をDNAに保管し、転写・翻訳を通してタンパク質を発現す
る。また、翻訳に用いられるコドンは大腸菌と同様に様々なものを活用している。
問6 下線部(f)について, 合成細菌にウイルスの遺伝子を注入した結果として最
適当なものを次の①~⑤のうちから一つ選べ。
6
① ウイルスの遺伝子において、 セリンを指定する塩基配列として TCG
と TCA が多ければウイルスは増殖する。
② 合成細菌の遺伝子の転写のみが阻害される。
3 ウイルス由来の遺伝子の転写のみが阻害される。
(4) 合成細菌の遺伝子の翻訳のみが正常に行えなくなる。
ウイルス由来の遺伝子の翻訳のみが正常に行えなくなる。