ース
3
103 遺伝暗号 DNAを構成する塩基は4種類, タンパク質を構成するアミノ
酸は20種類である。 遺伝暗号として, 塩基3つの配列 (トリプレット) が1つ
(1)
のアミノ酸に対応しているものと考えれば, アミノ酸の種類数に十分対応で
きるDNAのトリプレットはmRNAに転写され,このmRNAをもとにタ
ンパク質が合成される。mRNAのトリプレットをコドンという。
合成されたタンパク質はさまざまな機能を果たし,生物の形質を決定する。
ある昆虫の眼の色は通常では茶色である。この茶色眼遺伝子のmRNA の鋳
型となる DNAの塩基配列を調べたところ、その始まりの27塩基の配列は次
(2)
(3)
の通りであった。
AGGGCCGTCGCGTACTGTCGCTTTAGC
10
20
また、この茶色眼遺伝子のmRNAは、開始コドン AUGから終止コドン UGA
までを含めた長さが2343 塩基であった。
(1) 上の文中のDNAを鋳型として合成されるmRNAの塩基配列は,次のよ
うになる。 1①~⑤に適する塩基をアルファベットで記入し,配列を完成
させ
@ccco AGC6回 GACAGCCAAA⑤CG)
(2) この茶色眼遺伝子のmRNAをもとに合成されるタンパク質は,何個の
アミノ酸からなるか。
(3) タンパク質の合成は,必ずメチオニンから開始される。 (1) の mRNA の
塩基配列をもとに合成されるタンパク質のアミノ酸配列は,どのようにな
⑦に適するアミノ酸
るか。下の遺伝暗号表を参照して,次の ⑥
の名称を記入し、 配列を完成させよ。 なお、 この遺伝暗号表は, mRNA の
コドンと対応するアミノ酸を示している。
(メチオニン) ⑥- (アラニン) ⑦
2番目の塩基
1番目の塩基
U
C
A
G
U
UUU フェニル
UUC アラニン
UUA
UUG
CUU
CCU
CUC
CCC
CUA
CCA
CCG
CUG
AUU
ACU
AUC イソロイシン ACC
AUA
ACA
AUG メチオニン (開始) ACG
GUU
GCU
GUC
GCC
GUA
GCA
ロイシン
ロイシン
バリン
UCU
UCC
UCA
UCG
C
セリン
CCG
プロリン
トレオニン
アラニン
UAU
UAC
UAA
UAG
CAU
CAC
CAA
CAG
AAU
AAC
AAA
AAG
GAU
GAC
GAA
GAG
A
(セリン)
チロシン
終止
ヒスチジン
グルタミン
アスパラギン
リシン
アスパラギン酸
G
グルタミン酸
システイン
Ⓒ
セリン
C
4
°CTU
⑤
UGU
UGC
C
UGA 終止
A
UGG トリプトファン G
CGU
U
CGC
CGA
CGG
AGU
AGC
AGA
AGG
GGU
GGC
GGA
GGG
PDU
アルギニン
第2章 遺伝子とその働き
U
3:280:
トレオニン
1132
ヒント (2) 終止コドンはア
ミノ酸を指定しない。
6
グリシン
アルギニン
U
A
A
3番目の塩基
G
U
C
A
G
( 14 大阪府立大改)