まず、甲が行った行為に何罪が具体的に成立するのかというのを検討します。(罪責は行為に対して成立するものだから)
そうすると、甲はAを殺すつもりがないので、この時点で殺人罪は絶対にあり得ません。
そこで答案上はAを放置してしまった結果Aが死んでしまったという犯罪である、保護責任者遺棄致死罪を甲がAを放置した行為に成立するかを検討します。
なお、単純遺棄罪の遺棄は客体を危険な場所に移動させる移置のみを指すことが判例ですので、判例の考えからすると、明らかに成立しません。そのため、甲の当該行為への成立を検討しないか、検討してもさらっと触れる程度にした方がいいでしょう。
ここで、Aは男の子なので、「幼年者」であることは明らかなので、端的に認定した後、甲が「保護する責任のある者」に該当するかを検討します。
「保護する責任がある者」は、ぺんぎんさんが書かれた法令契約事務管理以外にも、危ない状況の人を保護することを引き受けたか、そして、周りに行為者以外にいないということを指す、客体を排他的支配においていたか否かによって判定します。
本件では、確かに、甲以外にAの近くに人がいなかったということは甲のAに対する排他的支配を認める事情になり、甲が「保護する責任がある者」に該当することの積極的な事情になるでしょう。
他方、甲とAは何にも関係のない人物であり、また、甲が原因となってAは溺れているわけではないので、Aの保護を引き受けていないことは消極的な事情になるでしょう。これらを踏まえて文言に甲が該当するかを検討してください。
仮に該当する場合は、「遺棄」の意義を説明し、それに当てはめてください。
保護責任者遺棄罪の「遺棄」には単純遺棄とは違い、移置の他にも置き去りにする行為も含まれます。(理由づけは自分で調べた上で書いた方がいいでしょう。)
そして、置き去りが認められるのは、保護責任者が有する作為義務に違反することです。すなわち、「保護する責任がある者」と認められて、作為が可能でありかつ容易であったにもかかわらずあえて置き去りにしたというようなことをさします。
本件では甲は作為が可能でかつ容易であったかを検討してください。
以上簡単ではありますが、解答の指針を示しました。
何かわからなかったことがあればコメントしていただけると幸いです。
Law
大學
設例1.
甲(こう、架空の名前)は、夏休みにジョギングをしているときに、川で溺れている男の子Aを見つけた。Aは甲に向かって「助けて」と叫んだが、甲はそのまま走っていってしまい、Aを助けようとしなかった。Aは川に流されて
沈み、死んでしまった。
甲はAが死んでしまったことについて、法的責任を負うか。
この問題について教えてください
解答
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ぺんぎんさんも保護の引き受けや排他的支配に関する記述をしていました。
失礼しました!!