基本例題 5
遺伝子の本体
問題24
肺炎双球菌には,病原性のS型菌と非病原性のR型菌とがある。これらを用いて,
次の①~⑤の実験を行った。 下の問いに答えよ。 ANO
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実験
① 生きたR型菌をネズミに注射した。
② 加熱殺菌したS型菌をネズミに注射した。
③ 加熱殺菌したS型菌と生きたR型菌を混合し,ネズミに注射した。
(ア)分解酵素で処理したS型菌の抽出液を,R型菌の培地
に加えて培養した。
(イ)分解酵素で処理したS型菌の抽出液をR型菌の培地
に加えて培養した。
結果
発病しなかった。
発病しなかった。
発病した。
培地にはR型菌し
か現れなかった。
培地にS型菌も現
れた。
(1) ①~③の実験で,ネズミから生きたS型菌が検出されるものを答えよ。
(1
(2) ①~③の実験から,③の実験では,加熱殺菌したS型菌によってR型菌の形質が
S型菌に変化したと考えられるが,このような現象を何というか。
(3) (2)の現象を引き起こす物質が, ④, ⑤の実験からタンパク質ではなくDNAであ
ることが示された。表のア)と(イ)には,いずれの物質が入るか。
考え方 (1) ネズミが発病した場合には、 体内には生きた病原性のS型菌が存在
すると考える。 (3) 分解された物質が, 形質転換を起こす原因物質であれば, 培地
にS型菌は生じ得ない。したがって, ④の(ア)には DNAが入る。
3
解答 (1) ③
(2)形質転換
(3) アーDNA
イータンパク質
第
2
章