GXT
ある種の昆虫の受精卵では、はじめは核だけが分裂する。 分裂した核は受精卵(胚)の表
面に移動し、その後,それぞれの核の間が細胞膜で仕切られ1つ1つの細胞ができる。 そ
れぞれ細胞は,受精卵の前後軸に沿って、異なる運命に決定される。その運命決定の過程
は,前後軸に沿って異なるパターンで発現する調節遺伝子が他の調節遺伝子の発現を制御
することで進んでいく。 遺伝子Xが遺伝子 Y の発現を誘導または抑制する場合、 遺伝子X
は遺伝子 Yに対し上流に位置するという。また、遺伝子Xが遺伝子 Y の発現を誘導する
ことをX→Y と表し, 遺伝子Xが遺伝子Y の発現を抑制することをX→Y と表すことに
する。 調節遺伝子間の制御関係に関して、次の実験1~4を行った。 図は昆虫の胚を表し、
斜線部は該当する遺伝子の発現が見られる領域を表す。「無」と記した領域では該当する遺
伝子の発現が見られない。
〔実験 1] 調節遺伝子 A~Cの発現のパターンを調べたところ, 図1のa~c のようで
あった。次に,遺伝子Aが欠失した変異体で遺伝子Bの発現を調べたところ、図1dの
ようにまったく発現が見られなかった。 逆に, 遺伝子Bが欠失した変異体で遺伝子 A
の発現を調べたところ, 野生型と同じパターンで発現していた。
〔実験2] 遺伝子Aが欠失した変異体で遺伝子Cの発現を調べたところ, 図 1eのように
胚の全体で発現していた。 逆に, 遺伝子 C が欠失した変異体で遺伝子 Aの発現を調べ
たところ, 野生型と同じパターンで発現してい
〔実験3] 遺伝子Cが欠失した変異体で遺伝子 B の発現を調べたところ, 図1fのように
a. 遺伝子 A の発現のパターン
b. 遺伝子 B の発現のパターン
c. 遺伝子 C の発現のパターン
d. 遺伝子Aが欠失した変異体での
遺伝子Bの発現のパターン
e. 遺伝子Aが欠失した変異体での
遺伝子の発現のパターン
f. 遺伝子Cが欠失した変異体での
遺伝子Bの発現のパターン
前
無
無
無
後
無
無
図2
a. 遺伝子 D の発現のパターン
b. 遺伝子の発現のパターン
c. 遺伝子 F の発現のパターン
d. 遺伝子Eが欠失した変異体での
遺伝子 D の発現のパターン
e. 遺伝子を胚の全体で発現させた
場合の遺伝子Dの発現のパターン
前
無
無
無
無
浦
後
無
無
胚の全体で発現していた。 また, 遺伝子Cを胚の全体で発現させると遺伝子Bの発現
はまったく見られなかった。 このとき, 遺伝子Cの発現量は,遺伝子Aの発現量と同程
度であった。
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