漢字をひとつずつ見ていきましょう‼︎
まず、「大弟ハ但ダ」までは読み通りに漢字が並んでいるので、この部分に返り点を施す必要がないのは理解できると思います。
では次に「有ル」ですが、この漢字が使われているのは書き下し文のもっと後なので、この漢字には何らかの返り点を施さなければならないことが分かりますね。ではどの返り点を施せばいいのか?
まず、漢文の学習ではじめに習うであろうレ点ですが、「有ル」にレ点をつけてしまった場合熟語であるはずの「武略」を分断してしまいます。
そうなると次の選択肢は一ニ点となるわけですが、一点を施すとそのまま読めてしまい返り点がないのと何ら違わなくなってしまうので、ニ点を施すことが分かります。(上下点は一二点を挟む形でしか使わないので、もっと長い文章の方が使われる確率が上がります)
さて、「有ル」にニ点を施し、読みとして一度飛ばす形(書き下し文通り)にできましたね。
次の「武略」は「大弟ハ但ダ」と同じくそのまま読んで差し支えないので「武」に返り点は不要。
では「略」ですが、ここには返り点が必要ですね。「有」の下にニ点を施し、読みの順番から見て「略」から「有」に返る必要があるとき、「略」に一点を施してあげると、きれいに「略」→「有」の順番にできます。
そうしたらようやく謎の「耳」のおでましというわけですが、書き下し文の中の残っている語を見る限り、なんとなくこれが「のみ」なのか…??と推測はできると思います。(結論から言うと、この「耳」は「のみ」と読む、限定表現によく出てくる漢字です)
さて、「耳」の正体を予測できたところで、この文章はおしまい。返り点を施す手順は分かったでしょうか?
問題は、「但ダ」+「耳」という語を見た時点でこの文章には限定の表現が使われているな、ということに気付けるかどうかだと思います。
「ただ」という語のあとに今回の「耳」であったり「已」「爾」といった漢字がある場合、それらは「のみ」と読み、「ただ〜のみ」という限定の表現になります。
覚えておくと便利です!
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