前提として、光路差が大きすぎると光は干渉しません。この理由は発光という現象の根本的部分に関わるため、ひとまずは「光路差が大きすぎると干渉しない」ことを認めることとして先に進みます。(なお厳密には干渉こそするものの、目まぐるしく強め合いの位置が変化するため、人間の目には追うことができません。)
ニュートンリングの問題では、基本的に図が誇張されて描かれています。実際にはレンズと下のガラスの間はものすごく狭く、この隙間部分を光路差とするような2つの光は干渉します。
一方で、用いるガラスやレンズはこの隙間に比べて十分厚いです。このため、レンズの上面で反射するなどの、図の矢印以外の様々な反射光は光路差が大きすぎて干渉しないことになります。
今回は下から見た光の干渉について考えるため、実際には様々な光がいろんな場所で反射しているものの、その中でも干渉するペアのみを考えるために、図で表された光線だけを取り出して考えます。