(2015 大阪医大) 4
163 腎臓(4) 次の文を読み、下の問いに答えよ。
腎臓の構造および機能上の単位は(ア) (腎単位) と呼ばれ,腎小体と(イ),
および (イ)に伴う毛細血管で構成されている。 腎小体は, 多数の毛細血管のルー
プからなる(ウ)と,それを包む (エ)から構成される。 (ウ)から(エ)
へろ過される液を (オ) といい, 1分間にろ過される量を, (ウ) ろ過量(GFR)
と呼ぶ。 (ウ)から(エ) へ自由にろ過され、(イ)や集合管で再吸収も分泌(毛
細血管から(イ)や集合管に物質が放出されること)もされない物質を用いると,
GFR を求めることができる。 例えば, イヌリンはそのような物質の1つである。
ヒトの成人にイヌリンを血中投与すると,血しょう中濃度が1.2mg/mL で定常状
態に達した。1時間尿を集めたところ、 その尿中のイヌリン濃度は150mg/mLであっ
た。 イヌリンは、(ウ)から(エ) へ自由にろ過されるので,血しょう中濃度と (オ)
中の濃度が等しい。 このことから (オ) から尿へ (カ) 倍にイヌリンの濃度が濃
縮されたことがわかる。 F
イヌリンは、(イ)や集合管で再吸収も分泌もされないので, (オ) から尿への
濃縮は, (イ)や集合管で水や他の分子が再吸収されて, (オ) から尿へ体積が減
少したことによる。 成人の尿の生成速度を1日に1.44Lとして, 上で求めた濃縮率か
ら, (オ) の生成速度, すなわち GFRは毎分125mL と求められる。
(1) 文中のア~力に適当な語句または数値を書け。
(2) 成人の全血液量を5Lとし, そのうちの血しょう成分は60%として, 1日あたり
全身の血しょうは,文中のウから工へ何回ろ過されるかを答えよ。
(3) 腎臓を流れる血しょうのうち, 文中のウから工へろ過される割合をろ過比と呼
ぶ。 この値は, GFRを腎血しょう流量 (1分間あたり腎臓を流れる血しょうの
流量)で割ったものとして求められる。 成人で1分間に心臓から送り出される血
液量を5Lとして, そのうちの20%が腎臓を回り,さらに,そのうちの血しょ
う成分を60%としたとき, ろ過比の値はいくつになるか。 有効数字2桁まで求
めよ。
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(4) 文中の才に含まれるナトリウムイオンの何%がイや集合管で再吸収されたか,有
効数字2桁まで求めよ。 ただし、イや集合管で水や他の分子が再吸収されて,オ
から尿へ体積が減少したことを考慮せよ。また,血しょう中のナトリウムイオン
濃度は140mmol/L. 尿中のナトリウムイオン濃度は160mmol/Lとし, ナトリウ
ムイオンはウからエへ自由にろ過されるものとする。
(九州大)