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必修 11. 電流と磁場, 荷電粒子の運動
基礎問
電流と磁場
Ⅰ. 図1のように,長い導線を水平に南北方向に張り,そ
の真下の距離 10 [cm] のところに小さな磁針を置いて、
導線に電流を流した。このとき,磁針のN極は西に 45°
振れて静止したことから,この場所での地球の磁場の強
さの水平成分は 25 〔A/m〕 であることがわかった。
(1) 導線にはどの向きに電流を流したか。
(2) 流した電流は何 〔A〕 だったか。
(3g) 次に導線を取り除き、かわりにコイルの頭を南北方向と垂直になるよ
うに1巻きの円形コイルを置き、その中心の磁場が0となるようにした
い。 円形コイルの半径を20〔cm〕 とすると, コイルに流すべき電流の強
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さは何 〔A〕か。
ⅡI. 図2のように、紙面に垂直な導線P, Qに同じ強さIの
直線電流が流れている。Pの電流は紙面の裏から表に向か
う向きに,Qの電流はPと逆向きに流れている。導線P.
Qからの距離がともに4の紙面上の点Xに生じる磁場の
(福岡大改・愛媛大)
強さを求め、その向きを図示せよ。
I
H=- (r: 電流からの距離)
2πr
() 円形電流の中心の場合
北
H=- ( r円の半径)
2r
45 C
15+0=3
P
0
10cm
図1
XA
a.
3.
●地磁気 地球は北極をS極,南極をN極
精講
とする大きな一つの磁石であり,地表には
地球による北向きの磁場が存在する。 これを地磁気という。
【参考】 磁気量 (磁極の強さ) をmとすると, 強さHの磁場
から磁極が受ける力の大きさFは,F=mH である。
●電流がつくる磁場 電流がつくる磁場の強さは電流の強さに比例するが, そ
の強さを与える式は電流の形状によって異なる。 電流Iがつくる磁場の強さを
Hとすると
電流ⅠⅡ
(i) 直線電流 ( 十分に長い) の場合
a
図2
H
磁場
(A) SLO TA
a
1
Gir
Q
ルの内部の場合
ソレノイドコイ
H=nl (n: 1 〔m〕 あたりの巻数)
●右ねじの法則 右ねじの進む向き
●京靴の向きにとると、右ねじを回す
向きが磁力線の向きを表す。この
磁力
磁力線の向きの接線方向が磁場の間
である。
磁場
クトル和である。
●磁場の合成 複数の電流による磁場は、各電流がその場所につくる磁場のベ
I. (1) 磁針の向きより, 合成磁場の向きは北向 真上から見た図
きから西へ45° 振れているので、 導線の電流が
45
つくる磁場は西向きである。 よって, 導線を流れる電流の向き
は、右ねじの法則より, 北向きである。
(2) (1)より、導線の電流がつくる磁場の強さをH [A/m] とす
ると, H=25 [A/m〕 である。 電流の強さをI〔A〕 とすると,
I
2×0.10
よって,I=5=5×3.14≒16 [A]
(3) 円形コイルの中心の磁場が、 地磁気と逆向きで、同じ大き
H=
-=25
さであればよい。 コイルに流す電流の強さをI' 〔A〕 とすると,
I'
VI
I
2ла
磁場H
I. (1) 北向き
Ⅱ. 磁場の強さ:
-25 よって, I'=10 [A]
2×0.20
TARS
KAME
I. 導線P, Q の電流がそれぞれ点Xにつくる磁場の強さを H,
HQ とすると,
I
2лα
H
Hp=Ho=
導線 P, Q の電流がつくる磁場の向きは右図となる。
磁場の強さが等しく, なす角が120° であることより,合成磁場
の向きは右図の太い矢印の向きである。 また, 合成磁場の強さ
Hx は , Hp (または HQ) と正三角形をつくることより,
(2) 16 〔A〕
I
向き
2ла'
Hx=Hp=
【参考】 成分で求めると, Hx=Hpcos60°×2=He となる。
北
R÷Á÷AN…....
(3) 10 (A)
a
の図
磁力線
.25 [A/m)
電流
磁場
H₂O
H60060°
Far-102043:
H₂
図 a
Q
第4章 電気と磁気
流と磁場, 荷電粒子の運動 177