生物のもつ遺伝情報は,ほとんどの場合, DNAの塩基配列として存在する。 生物
がもつ必要最小限の遺伝情報の一組を (ア)と呼ぶが, その情報量は膨大で、と
パク質に巻き付き, ビーズ状のヌクレオソームを構成し, 凝集して存在する。DNA
は細胞当たり2mの長さの DNAをもつ。 真核生物のDNA は, (イ)というタン
の塩基配列は,転写, 翻訳の過程を経て, タンパク質のアミノ酸配列を決定する。 転
写は DNA を鋳型として RNA を合成する反応で, RNAポリメラーゼが行う。 (2) 原核
生物では, 転写された伝令RNA (mRNA) は, その場で直ちに翻訳されるが, 真核生物
では,転写と翻訳は細胞内の異なった部位で行われる。
遺伝子発現は,発生プログラムや環境要因によって制御される。 遺伝子には,転写
される領域(転写領域) と転写を制御する領域 (転写制御領域) が存在する。 転写制御領|
域に転写調節タンパク質が結合することで, 転写の活性が制御される。真核生物の遺
伝子の多くは,タンパク質をコードする(ウ)とタンパク質をコードしない
(エ)からなり,転写後,(エ)が除去されて(ウ)が結合することで最終的
なmRNA となる。 この過程をスプライシングと呼ぶ。
発展例題 9
原核生物のタンパク質合成
(b).
DNA の塩基配列に突然変異が生じるとさまざまな影響が現れる。一方, 転写
領域の塩基配列の変異でも,タンパク質のアミノ酸配列に影響を与えない場合もある。
問1.文中の(ア)~(エ)に適切な語を入れよ。
問2.下の図1は, 下線部(a)のようすを模式的に示したものである。 次の①~④の物
質や酵素が図のどこに相当するかを, DNA の例示に従って, 線を用いて図に示せ。
さらに,転写が進行する方向, および翻訳の (A)
0.71μm
進行する方向を矢印で示し, “転写の方向”お
よび“翻訳の方向”と明記せよ。
① 翻訳中のタンパク質
②mRNA
③RNAポリメラーゼ
④ リボソーム
図1(A)-(B)は, この遺伝子の転写領域
の長さを示している。 この遺伝子から合成さ
れるタンパク質の分子量を求め, 有効数字3
[x
桁で答えよ。 計算式も示すこと。 ただし、(A)-(B)間がすべてタンパク質に翻訳され
るものとする。 DNAの10ヌクレオチドで構成される鎖の長さを34A (オングスト、
ローム, 10-1 m), アミノ酸の平均分子量を118とする。そのままた
た
●プも
DNA
図 1
JAS