基本例題21
熱機関の熱効率
基本問題 174, 175
仕事率 70kW,熱効率30%のディーゼル機関がある。この熱機関は,重油を燃料とし
て仕事をする。1.0kg あたりの重油の発熱量を4.2×107Jとして,次の各問に答えよ。
(1)ディーゼル機関が1時間にする仕事はいくらか。
(2)仕事を1時間したとき、仕事に変わることなく外部に捨てられた熱量はいくらか。
(3) 仕事を1時間したとき, 消費された重油は何kg か。
指針 (1) 仕事率は, 1s間あたりの仕事
である。 すなわち, 70kW=70×103W の仕事率
では, 1s間に 70×10°Jの仕事をしている。
(2) 熱効率が30%なので、 重油の発熱量のうち,
30%が仕事に変わっている。
3) 1時間の重油の発熱量からその質量を求め
る。
■解説 (1) 1時間は60×60=3600sであ
る。 求める仕事 W'[J] は,
W' =70×10°×3600 = 2.52 × 10° J
2.5×10J
2) 重油の1時間あたりの発熱量を Q [J] とす
ると、 熱効率の式 Te=
W'
-」 から, (1) で求め
Q₁
た値を用いて,
0.30=
2.52×10°
Q₁
Q=8.4 × 10°J
外部に捨てられた熱量を Q2[J] とすると,
W'=QQ2 の関係から、
Q2=QW'=8.4×10 -2.52×108
=5.88×10°J 5.9×10°J
(3) 1時間に消費される重油の質量を m[kg]
すると, 1時間の発熱量 Q, [J] は,次のよう
表される。 Q=m×4.2×107
したがって,(2)のQの値を代入すると,
8.4×108
Q1
m=.
=
=20kg
4.2×107
4.2×107
6. 熱とエネルギー